
【アストロフィツム・兜丸】白いボンボンが特徴的な可愛いらしい植物。
白い斑点が星のように見える事から「有星類」とも言われています。
名前の由来はギリシャ語の”astro”(星)”phyton”(植物)なんだって。
見た目も名前も綺麗な植物だね~
この記事では実際に【アストロフィツム・兜丸】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それでは、どうぞ!
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【アストロフィツム・兜丸】詳細情報

| 植物名 | アストロフィツム・兜丸 |
| 原産地 | アメリカ(テキサス州)、メキシコ(タマウリパス州)など |
| 分類 | サボテン科、アストロフィツム属 |
| 成長適温 | 春~秋(20度~36度) |
| 成長速度 | 遅い |
| 暑さ | 強い |
| 寒さ | 弱い(5度以下は×) |
| 気候 | 日当たり、風通しの良い場所 |
| 用土 | 水はけの良い用土 |
| 水やり | 成長期は用土がしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える |
特徴
アストロフィツム属は白い綿状の斑点が特徴的な植物。

一定の間隔で綺麗に作られる白い綿状の斑点はアストロフィツムというブランドを確立しています。
白い斑点が多くなるにつれて「兜」「スーパー兜」「ミラクル兜」と呼ばれるようになり、価値も上昇する傾向にある。

春~秋にかけての成長期には透き通るような黄色い花を咲かせるのも特徴。

花は成長期によく開花しますが満開になる時間は短いので満開時を見れるとラッキーです。
生育環境
兜丸はアメリカ-テキサス州のリオグランデ渓谷のごく一部とメキシコ-タマウリパス州のごく一部の地域周辺の半乾燥低木林に自生しています。
アメリカ側に自生している野生個体は事実上 Starr County (スター郡)のみとされています。
Starr County(スター郡)とは?
Astrophytum asterias(兜丸)のアメリカ側の唯一の確実な自生地として知られており、全体的に低地(標高 50–150m 程度)で平坦〜緩やかな丘陵が続く半乾燥地帯です。
詳しい環境としては、石灰岩礫の地表に隠れるように兜丸が自生しているようです。
兜丸の自生地周辺都市リオグランデシティ(Starr County周辺)の年間平均気温は以下の通りです↓

グラフによるとリオグランデシティの年間平均気温は10度〜39度まで変化します。
このことから兜丸の成長適温は20度〜36度で日本では春〜秋が成長期になり、冬の寒さにはあまり耐性がない事が分かります。
冬の時期、兜丸の耐寒温度は5度と言われていますが、念の為、最低気温が8度以下になりそうなら室内に取り込んで冬越しさせてあげましょう。
以下のグラフは日本(東京)とリオグランデシティの高湿日が何日あるかの比較表です↓

リオグランデシティは東京に比べても高湿日が多い事がわかります。
そのため、兜丸は多湿環境にもある程度耐性があり、日本の高温多湿の夏の時期でも「蒸れ」で枯れてしまう心配はあまり無いです。が、極端に風通しの悪い場所で管理すると蒸れたり「害虫」や「病気」が発生する恐れがあります。
風通しの良い場所で管理してあげましょう。
室内で管理する場合もサーキュレーターを回して、風の流れを作ってあげようね!
日当たり

アストロフィツム属が自生している場所は岩陰や木陰のように日陰になる場所が多いようです。
そのため、あまり強い直射日光を当てる必要は無いです。
ですが、ある程度日光に当ててあげた方が丈夫な株に育つので年間を通して日当たりの良い場所で管理してあげましょう。
冬の時期に室内管理をしている時は、出来るだけ日当たりの良い窓辺で日光に沢山当ててあげましょう。
そうする事で耐寒性を高める事ができます。
冬の時期の窓際は気温がグッと下がる事があるから注意しておこうね!
日光が不足すると病気にかかりやすくなったり、突然腐ってしまうなど軟弱な株になってしまうので、年間を通して十分な光量を確保できない場合は「育成ライト」を活用しましょう。
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
兜丸は乾燥には強いので年間を通して乾燥気味に育てます。
基本的には用土がしっかり乾いてから、水をたっぷりと与えましょう。
春
春、気温が20度を超えてくると休眠からあけて徐々に成長を始めます。
休眠からあけてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。
兜丸が動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。
成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
日々の観察が大切だね!
夏
夏も成長期なので用土が中までしっかりと乾き次第、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温の高い日中に水やりをしてしまうと蒸れて株が痛んだり、最悪の場合腐ってしまう可能性があります。
夏場は日中を避けて、気温が低くなってくる夕方頃に水を与えましょう。
メリハリをつけた水やりが大事だよ!
秋
秋、気温が20度以上あるなら成長期です。
通常通り、用土が乾いてから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温が10度近くになって成長が鈍化してきたら徐々に水を与える頻度、量を減らしていきます。
兜丸が休眠するための準備だよ!
冬
気温が10度を下回ってくると休眠期に入り成長が止まります。
月に1~2回程度、株の根元を湿らす程度の軽い水やりをしましょう。
そうすることで、細根が完全に枯れてしまうのを防ぎ、春の休眠開けにスムーズに成長を開始することができます。
兜丸の自生地周辺の降雨量について
参考程度に兜丸の自生地周辺都市(リオグランデシティ)の降雨量を見ておきましょう↓

グラフを見る限り極端な乾燥時期は無く、1番少ない時期でも18㎜程度、1番多い時期は87㎜程度の雨が降るようです。
この事からも、兜丸は乾燥に強い事が分かります。
水の与え過ぎには注意しましょう。
もちろん、水を切りすぎても弱ってしまうので、自生地周辺の降雨量も参考にしながら自身の環境にあった水やりを見つけてみてください。
用土

水はけの良い用土を使用しましょう。
我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、軽石)を混ぜた用土を使用しています。
植え替え

兜丸は1年~2年を目安に植え替えをしてあげると元気に成長してくれます。
植え替えは出来れば本格的な成長期前の4月~5月の間に行います。
成長期の直前に植え替えを行う事で成長期に入った時にスムーズに成長をしてくれます。
植え替えを行う際は、出来るだけ用土を乾燥させておきましょう。
植え替え時の根へのダメージを最小限に抑えるためだよ!
兜丸の成長が止まっている冬の時期の植え替えは避けましょう。
兜丸の成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまう可能性があります。
春が来て兜丸が動き出すまで我慢しましょう。
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、僕たちの強い味方だよ!
肥料

兜丸は植え替え時に元肥、成長期(春、秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春、秋)に追肥を行いましょう。
基本的に肥料をあまり必要としないサボテン科の植物には液体肥料ではなく、じっくりと効果があらわれる置き肥(固形肥料)がおすすめです。
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
固形肥料を与える時も少な目を意識しましょうね!
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
病気、害虫

兜丸は一般的にサボテンに発生する病害虫に気を付けましょう。
風通しの悪い環境で育てていると「カイガラムシ」発生したり、植え替えをサボっていると「ネジラミ」が発生することがあります。
カイガラムシは吸汁性の害虫で植物を弱らせ、さらに排泄物は「すす病」の原因となってしまうので、見つけ次第ピンセットなどで取り除きましょう。
すす病とは?
植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)が排泄物として糖分を排泄し、その害虫の排泄物にカビが生えた状態をすす病という。
「ネジラミ」は地面の上に直接鉢を置いていたり、植え替えを何年もサボったりしていると発生する事があります。
ネジラミはサボテンの根に付き、吸汁してサボテンを弱らせていきます。
植え替え事にしっかりと根回りを確認して、ネジラミがいないかを見ておきましょう。
発見した場合はまず土を洗い流して、傷んだ根を取り除きます。
その後、薬剤を散布して防除し、しっかりと根を乾燥させてから植え付けます。
害虫が発生しやすい時期(5月~9月)に月1回程度「オルトランDX」を用土に撒いたり、「ベニカxネクストスプレー」などの薬剤を散布すると効果的です。
薬剤をあまり使いたくない場合は、葉水を定期的にしてあげると害虫予防にもなります。
日々の観察で植物に害虫が付いていないかを観察して、早急に対処することが重要ですね!
最後に

アストロフィツム・兜丸はサボテン科の植物には珍しく、高温多湿環境にもある程度耐性があるので、冬の時期の冷害にさえ気を付ければ、比較的育てやすいサボテンです。
成長期には透き通るような綺麗な黄色い花で癒してくれます。
可愛い見た目なので部屋のインテリアとしても一役かってくれそうですね。
皆さんも是非、可愛いサボテン科のアストロフィツム属を迎えてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!
