【オトンナ・クラビフォリアの育て方】生育環境、日当たり、水やり、用土まで徹底解説～

プリプリした葉とむっちりした塊根部分が人気のオトンナ属【オトンナ・クラビフォリア】

この記事では実際に【オトンナ・クラビフォリア】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます！

結論、基本的な育て方はこのような感じです↓

その他にも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます！

それでは、どうぞ！

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【オトンナ・クラビフォリア】詳細情報

植物名	オトンナ・クラビフォリア
原産地	南アフリカ、ナミビア
分類	キク科、オトンナ属
成長適温	春,秋,冬（１０度～２３度）
成長速度	普通~遅い
暑さ	弱い
寒さ	やや強い（５度以下は△）
気候	日当たり、風通しの良い場所
用土	水はけの良い用土
水やり	成長期は用土がしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える

特徴

多肉質でプリプリの葉っぱ

シワがよってムッチリとした塊根部分

黄色い花をよく咲かせます

成長しても20センチほどにしかならない小型のコーデックスです。

生育環境

クラビフォリアはナミビア南部（リューデリッツ）～南アフリカ、北ケープ州の（リヒタスフェルト）までが自生地とされています。

ナミビア南部（リューデリッツ）の年間平均気温は以下の通りです↓

グラフによるとクラビフォリアの自生地周辺都市（リューデリッツ）の気温は年間で１１度～２４度まで変化します。

この事からクラビフォリアの成長適温は１０度～２３度で日本では春、秋、冬が成長期になります。

また、クラビフォリアの自生地周辺、ナミビア南部（リューデリッツ）と日本の環境では湿度も大きく違うので注意が必要です↓

上のグラフは高湿日が何日あるかの比較表です。

グラフを見るとリューデリッツは年間を通して蒸し暑くなる日がほぼ無い事が分かります。

日本の蒸し暑い夏の時期はクラビフォリアにとって過酷な季節になるので、夏の時期は葉を全て落として休眠します。

高温多湿になる夏の時期は蒸れないように風通しの良い涼しい環境で管理してあげましょう。

冬型の植物と言われるだけあってクラビフォリアは寒さにも強いと言われていますが、自生地周辺の気候を見る限り、他のオトンナ属（ユーフォルビオイデスやロバタなど）に比べると少し寒さに弱いと考えています。

０度近くの気温でも耐える事はできますが、５度以下になりそうなら屋内に避難させた方が調子よく育ってくれるでしょう。

日当たり

クラビフォリアは日光が大好きなので、成長期は日当たりの良い場所で管理しましょう。

日当たりの良い環境で育てる為に、成長期（春、秋、冬）には出来るだけ屋外で管理して日光を沢山当ててあげましょう。（遮光は必要ありません）

クラビフォリアの特徴的な丸い葉っぱは日光が足りてないと直ぐに徒長して楕円形の葉っぱになってしまいます↓

成長期の冬はどうしても日が短くなってしまうので充分な日当たりが確保できない場合は「育成ライト」などを活用して日光不足を防ぎましょう。

休眠期の夏は強光に当ててしまうと株の温度が上がり、蒸れの原因になってしまいます。

夏の時期は遮光するか、半日陰の風通しの良い場所で管理してあげましょう。

水やり

クラビフォリアは乾燥には強いので、年間を通して乾燥気味に育てます。

基本的には用土が中までしっかりと乾いてから、水をたっぷりと与えましょう。

水やりが多いと葉や枝が徒長しやすいです。

春

春、気温が１０度〜２３度なら成長期です。

用土が中までしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。

夏

初夏、気温が上がってくると徐々に葉が枯れて休眠の準備に入ります。

徐々に水やり頻度、量を減らしていきます。

全ての葉が枯れたら、休眠状態になり成長が止まるので、断水気味の管理をしましょう。

月に１回程度、涼しくなった夕方頃に１日で乾くくらいの少量の水を与えましょう。（細根が完全に枯れる事を防いで休眠開けの成長をスムーズにするため）

秋

秋、涼しくなってくると休眠からあけて成長を始めます。

休眠からあけてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。

クラビフォリアが動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。

成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

冬

冬、気温が５度を下回ってくると葉が枯れる事は無いですが、成長が鈍化します。

水やりの頻度を減らしましょう。

目安としては、用土が中まで乾いて＋３日〜４日ほど空けてから、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

クラビフォリア自生地周辺の降雨量について

クラビフォリアはナミビア南部～南アフリカ、北ケープ州の極乾燥地帯に自生しています。

参考程度にクラビフォリアの自生地周辺都市（リューデリッツ）の年間降雨量を見ておきましょう↓

日本と比べると明らかに降雨量が少ないのが分かります。

年間を通してほぼ雨が降らず、降雨量が一番少ない時期は１㎜程度、１番多い時期でも３㎜程度しか降りません。

このことからもクラビフォリアは乾燥に非常に強いことが分かります。水の与えすぎには注意しましょう。

用土

水はけの良い用土を使用しましょう。

我が家の用土は（赤玉土、鹿沼土、軽石、ゼオライト）を混ぜた用土を使用しています。※水はけを良くするために用土は必ずフルイにかけて微塵を取り除いておきましょう。

用土作りが難しい方は「塊根植物用の培養土」がオススメです↓

植え替え

クラビフォリアは根の張りが遅いので２年～３年を目安に植え替えを行いましょう。

植え替えを行う際は、あらかじめ水やりを止めておき、しっかりと用土を乾燥させておきます。

植え替えは夏の休眠からあけた成長期の秋に行います。

本格的な成長期前に行う事で成長が止まる季節（夏）までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく夏越しが出来るようになるでしょう。

もし、「秋」に植え替えが出来ずに「春」に植え替えを行う場合は出来るだけ根をいじらないような植え替えを心がけましょう。

「春」に大胆に根を整理してしまうと成長が止まってしまう「夏」までにしっかりと根を張ることが出来ず、調子を崩してしまうためです。

植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。

植え替えはの体力を非常に使うので「夏」や「真冬」など、成長が鈍化している時期の植え替えは避けましょう。

成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまうリスクがあります。

成長期が来てクラビフォリアが動き出すまで我慢しましょう。

増やし方

クラビフォリアは種まきで増やすことができます。

冬に成長が活発になるオトンナ属の種子は低温で発芽するので（低温湿潤管理）という方法で発芽させる必要があります。

クラビフォリアの種まき方法はこちらの記事で詳しく解説しています。↓

オトンナ・クラビフォリア種まき、発芽方法（低温湿潤管理）写真多めで解説〜

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肥料

クラビフォリアは肥料を与えなくても問題なく育てる事が出来ますが、植え替え時に元肥、成長期(秋〜春)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。

元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。

元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。

元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期（秋〜春）に追肥を行いましょう。

追肥として液体肥料を与える場合は月に１回～２回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは（ハイポネックス）です。

ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。

休眠からあけた秋の時期に最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。

肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。

置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。

水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。

固形肥料（置き肥）の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。

オススメは「マグァンプK小粒」です。

追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くお勧めです。

また、肥料を与えられない場面（植え替え後や植物が弱っている時）では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。

病気、害虫

クラビフォリアは弱っていたり、風通しの悪い環境で育てていると「カイガラムシ」や「ネジラミ」が発生する事があります。

カイガラムシは吸汁性の害虫で吸汁された植物は徐々に弱っていってしまいます。

また、スプレータイプの薬剤などが効きにくく、排泄物は「すす病」の原因となってしまう厄介な害虫なので、見つけ次第ピンセットなどで取り除きましょう。

ネジラミは土の中に生息している体長2〜3mmの綿のようなカイガラムシで、植物の根に寄生して吸汁し、植物を衰弱させます。

植え替え時に必ず根を確認して、発見した場合はまず土を洗い流して、傷んだ根を取り除きます。

その後、薬剤を散布して防除し、しっかりと根を乾燥させてから植え付けます。

おすすめの薬剤は「ベニカＸネクストスプレー」です。

害虫は同じ薬品ばかりを散布していると耐性を得てしまうので一つの殺虫剤を使用するのではなく、それぞれ違った殺虫剤を定期的に散布し、害虫を根絶しましょう。

害虫は一度発生してしまうとかなり厄介なので、発生する前の予防が肝心になってきます。

そのため、害虫が発生しやすい時期（５月～１０月）は月に１回程度、定期的に害虫予防のスプレーを散布し、「オルトランＤＸ」などの薬剤も活用しながら害虫予防をしておきましょう。

最後に

オトンナ・クラビフォリアは夏の時期は蒸れやすく、冬の時期に過湿にしてしまうと根が痛んでしまう、少しデリケートな冬型塊根です。

年間を通して風通しの良い場所で、水やり控えめで乾燥気味に管理してあげると調子良く成長してくれます。

また、成長期(秋〜春)はできるだけ直射日光(強光)の当たる場所で管理してあげるとまんまるな葉っぱのクラビフォリアを育てる事が出来るでしょう。

皆さんも是非、冬型コーデックス「オトンナ・クラビフォリア」を迎えてみてはいかがでしょうか？

最後まで読んで頂き有難うございます！

一緒にボタニカルライフ楽しみましょう！