ギムノカリキウム属はサボテン科の中では非常に種類が多く70種類以上確認されている品種です。
新天地やミハノビッチ、フリードリッヒなど人気種が多数存在します。
ギムノカリキウム属の特徴としては棘が生えてくる根元に「棘座」と言われる綿毛のようなものが付いています。
我が家で育てている【蛇竜丸】という品種は黒緑色しており、ゴツゴツとした表皮には艶があり、棘はクモのような形をしています。
70種類以上って凄いな~
カッコイイサボテンがいっぱいで選びきれないね!
この記事では実際に「ギムノカリキウム属」を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます。
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
種類が多いので育て方をひとくくりには出来ないですが、我が家で育てている「ギムノカリキウム属」を対象に解説していきます!
それでは、どうぞ!
\気になる項目へ飛んでね!↓/
ギムノカリキウム属、詳細情報
(ギムノカリキウム・ミハノビッチ↑)
原産地 | 南米 |
分類 | サボテン科、ギムノカリキウム属 |
成長適温 | 春、秋(20度~30度) |
成長速度 | 普通~遅い |
暑さ | 強い |
寒さ | やや強い(3度以下は△) |
環境 | 日当たり、風通しの良い場所 |
用土 | 水はけの良い用土 |
水やり | 成長期は用土が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える |
特徴
我が家では「新天地」「ミハノビッチ」「蛇竜丸」という品種を育てています。
「ギムノカリキウム・新天地」
「新天地」はボコボコとした株本体から赤く鋭い棘を伸ばします。
見た目は攻撃的かつ繊細で美しい品種のギムノカリキウム属です。
「ギムノカリキウム・ミハノビッチ」
「ミハノビッチ」は赤色や黄色、ピンク色の斑が鮮やかな品種で、成長期には薄ピンク色の大きな花を咲かせます。
その見た目の鮮やかさから、ギムノカリキウム属の中でも人気を誇る品種です。
「ギムノカリキウム・蛇竜丸」
「蛇竜丸」は数あるギムノカリキウム属の中では色、形が地味なのであまり目立たない品種。
ですが、成長期には信じられないくらい可愛い花を咲かせます。
「蛇竜丸」って名前からは想像できない花だね!
生育環境
ギムノカリキウム属は風通しの良い乾燥した環境を好みます。
日本の気候では春と秋、気温が15度~30度が成長適温です。
日本の夏の時期は「高温多湿」となり非常に蒸れやすい季節でギムノカリキウム属にとっては厳しい季節になります。
気温が35度近くになる場合は出来るだけ風通しの良い日陰で管理してあげましょう。
サボテン科の植物は暑さに強いものは多いけど「蒸れ」には弱いから気を付けてね!
ギムノカリキウム属は比較的寒さにも強いものが多く0度まで耐える事は出来ますが念のため5度以下にならないように管理してあげましょう。(※耐寒性は品種によって異なります。)
日当たり
基本的に年間を通して日当たりの良い場所で管理します。
ですが、夏の時期に直射日光に当ててしまうと日差しが強すぎて葉焼けしてしまう事があるので注意が必要です。
夏の時期は直射日光には当たらない明るい日陰で管理してあげましょう。
日差しが強いと株の表皮が赤っぽく変化するストレスカラーが出る品種もいます。
ストレスカラーが出てしまった株は、直射日光の当たらない明るい場所で管理してあげましょう。
直射日光によってストレスカラーが出た株も明るい日陰で管理してあげるとまた元の色に戻るから安心してね!
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
ギムノカリキウム属は水切れには強いので年間を通して乾燥気味に育てます。
基本的には用土がしっかりと乾いてから、水をたっぷりと与えましょう。
春
春、気温が15度~20度を超えてくると休眠状態から空けて徐々に成長を始めます。
休眠状態から空けてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。
ギムノカリキウムが動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。
成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
日々の観察が大切だね!
夏
夏も成長期なので用土が乾き次第、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温の高い日中に水やりをしてしまうと鉢内部が高温となり、蒸れて根腐れの原因になってしまう事があります。
夏場は日中を避けて、気温が低くなってくる夕方頃に水を与えましょう。
また、夏は気温が高くなりすぎると成長が鈍化し、水を吸う力が弱まります。(35度くらい)
用土の表面が乾いていても用土の中はあまり乾いていないことがあるので、水の与えすぎに注意しましょう。
秋
秋、気温が20度以上あるなら成長期です。
通常通り、用土が乾いてから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温が10度を近くになって成長が鈍化してきたら徐々に水を与える頻度、量を減らしていきます。
植物が休眠するための準備だよ!
冬
気温が10度を下回ってくると休眠状態になり成長が止まります。
月に1~2回程度、株の根元を湿らす程度の軽い水やりをしましょう。
そうすることで、細根が完全に枯れてしまうのを防ぎ、春の休眠開けにスムーズに成長を開始することができます。
用土
水はけの良い用土を使用します。市販のサボテン用土でも良いです。
我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、ゴールデン培養土、軽石、パーライト)を混ぜた用土を使用しています。(用土はホームセンターなどで気軽に手に入ります。)
植え替え
ギムノカリキウム属は2年~3年を目安に植え替えを行いましょう。
植え替えは出来れば本格的な成長期前の3月後半~5月の間に行います。
成長期の直前に植え替えを行う事で成長期に入った時にスムーズに成長をしてくれます。
植え替えを行う際は、必ず用土を乾燥させておきましょう。
植え替え時の根へのダメージを最小限に抑えるためだよ!
「冬」植物の成長が止まっている時期の植え替えは避けましょう。
植物の成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまう事があります。
春が来て、ギムノカリキウムが動くまで植え替えは我慢しましょう。
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、僕たちの強い味方なんだよ!
肥料
ギムノカリキウム属は植え替え時に元肥、成長期(春、秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春、秋)に追肥を行いましょう。
基本的に肥料をあまり必要としないサボテン科の植物には液体肥料ではなく、じっくりと効果があらわれる置き肥(固形肥料)がおすすめです。
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
固形肥料を与える時も少な目を意識しようね!
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
増やし方
ギムノカリキウム属は基本的に種から増やします。
ですが、稀に子株を吹くことがあるので株分けで増やすことも可能。
子株が小っちゃくてかわいいね!
あまり子株が小さいうちに外してしまうと根を出せずにそのまま枯れてしまう事があるので、ある程度子株が成長してから株分けを行います。
株分けを行う時期は成長期ならいつでも可能ですが、できれば3月後半から5月の間に行いましょう。
親株から子株を切り放します。切り放した子株は赤玉土など無菌の用土の上に切断面が下に来るように置きます。
水を与えずに、風通しの良い半日陰で管理していると1週間~2週間ほどで発根してきます。
発根したらサボテン用の用土に植え替えて水を与えます。
あとは通常の管理をすることが可能。
病気、害虫
ギムノカリキウムは病害虫に強いのであまり心配は要りませんが、乾燥した風通しの悪い環境で育てていると「ハダニ」や「カイガラムシ」が発生することがあります。
ハダニは目視では見つける事が難しいほど白く小さな害虫で植物を吸汁し、吸汁された箇所は黄色く変色してしまいます。多く発生するとクモの巣のような糸を植物に張り巡らてみるみる増えていってしまいます。
ハダニが発生してしまった場合は水で全て洗い流したあと殺虫剤を吹きかけて殺虫、予防をしてあげましょう。
カイガラムシも吸汁性の害虫ですが、体長は2mm~6mmほどで目視で確認することができる害虫です。
(カイガラムシ被害末期のギムノカリキウム↓)
(白い点々が全てカイガラムシ↑)ここまでくると助ける事は困難です。
日々の観察で早期発見をして対処することが重要になります。
カイガラムシは繁殖力も高く、殺虫スプレーが効かない個体もいる厄介な害虫です。
見つけ次第、ピンセットなどで全て取り除き、害虫予防の為に殺虫剤を散布しましょう。
我が家で使用している殺虫剤は「ベニカXネクストスプレー」です。
害虫は同じ薬品ばかりを散布していると耐性を得てしまうので一つの殺虫剤を使用するのではなく、それぞれ違った殺虫剤を定期的に散布し、害虫を根絶しましょう。
害虫は一度発生してしまうとかなり厄介なので、発生する前の予防が肝心になってきます。
そのため、害虫が発生しやすい時期(5月~10月)は月に1回程度、定期的に害虫予防のスプレーを散布し、「オルトランDX」などの薬剤も活用しながら害虫予防をしておきましょう。
最後に
ギムノカリキウム属は暑さや寒さ、病害虫にも強く育てやすい植物なので植物初心者さんにもおすすめです。
他にもギノカリキウム属は個性的な色・形をしている個体が沢山いるので、皆さんもお気に入りのギムノカリキウム属を探してみてはいかがでしょうか?
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!