
小型ユーフォルビア属の希少種【ユーフォルビア・ハドラマウチカ】
赤みを帯びた表皮がカッコ良いね!
くねくね伸びる葉っぱも面白いね!
この記事では実際に【ユーフォルビア・ハドラマウチカ】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
その他にも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それでは、どうぞ!
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【ユーフォルビア・ハドラマウチカ】詳細情報

| 植物名 | ユーフォルビア・ハドラマウチカ |
| 原産地 | 北東アフリカ〜アラビア半島南部 |
| 分類 | トウダイグサ科、ユーフォルビア属 |
| 成長適温 | 春下旬~秋上旬(20度~40度) |
| 成長速度 | 遅い |
| 暑さ | 強い |
| 寒さ | 非常に弱い(10度以下は×) |
| 気候 | 日当たり、風通しの良い場所 |
| 用土 | 水はけの良い用土 |
| 水やり | 成長期は用土がしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える |
特徴
成熟した株でも10センチ未満にしかならない、非常に小型のユーフォルビア

表皮は赤みを帯びて、葉の抜け落ちた跡が残り模様になる
葉は「ふち」が強くうねる

成長期にはとても小さな花をつける
生育環境
ハドラマウチカは北東アフリカ(ソマリア、エチオピア、ジブチ)〜アラビア半島南部(イエメン、ソコトラ島、オマーン)にかけて点々と分布する小型の塊根ユーフォルビアで主に岩の多い石灰岩質の斜面・台地、非常にまばらな低木林に生えています。
その中でも、イエメンの「ハドラマウト地方」が「E.ハドラマウチカ」の語源とされています。
ハドラマウチカの自生地周辺都市、イエメン-ハドラマウト地方内陸部、Tarim(タリーム)の年間平均気温は以下の通りです↓

グラフによるとTarim(タリム)の気温は年間で12度~42度まで変化し、1番気温の下がる時期でも、ほぼ12度以下にはならないようです。
この事からハドラマウチカの成長適温は20度~40度で日本では春下旬~秋上旬が成長期になり、冬の寒さには非常に弱いことが分かります。
冬の時期、ハドラマウチカの耐寒温度は10度くらいと言われていますが、念のため気温が12度以下になりそうなら、屋内に取り込んで暖かい場所で冬越しさせてあげましょう。
また、ハドラマウチカの自生地周辺都市、Tarim(タリム)と日本(東京)の環境では湿度も違うので注意が必要です↓

上のグラフは高湿日が何日あるかの比較表です。
グラフを見るとイエメン-Tarim(タリム)は日本(東京)に比べると蒸し暑くなる日が非常に少ないことが分かります。
高温多湿になる夏の時期は蒸れないように風通しの良い場所で管理してあげましょう。
冬越しには要注意だね!
日当たり

年間を通して日当たりの良い場所で管理します。
日当たりの良い環境で育てる為に、成長期(春~秋)には出来るだけ屋外で管理して直射日光(強光)に沢山当ててあげましょう。
ウチカに関しては日差しの強い夏の時期(7月~8月)でも株焼けをしてしまう事はほぼ無いので遮光する必要はありません、できるだけ日当たりの良い場所で管理してあげましょう。
株の状態を見ながら置き場所を選んであげようね!
冬の時期(12月~2月)に屋内管理をしている時も出来るだけ、日当たりの良い窓辺などで沢山のに日光にあてて育ててあげると耐寒性も高める事ができます。(夜間の窓際は低温になることがあるので注意!)
耐寒性が上がると、調子を崩すことなく冬越しが出来るようになるよ!
どうしても室内管理になってしまい、充分な光量を確保できない場合は「育成ライト」を活用しましょう。
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
ハドラマウチカは乾燥地帯に自生しているユーフォルビアですが、成長期に水切れさせてしまうと直ぐに葉を落してしまう印象です。
なので、成長期に関しては水やり頻度多めで管理してあげるとあまり葉を落すことなく元気に育ってくれます。
季節ごとの水やりを見ていくよ!
春
春、気温が18度~20度を超えてくると休眠からあけて徐々に成長を始めます。
休眠からあけてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。
根が動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。
成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
日々の観察が大切だね!
夏
夏はハドラマウチカがもっとも成長する時期です。
用土全体が8割~9割乾いた時点でたっぷりと水やりをします。
夏の成長期は水を好むけど乾燥にも強いから、気楽に水やりをしようね!
秋
秋、気温が20度以上あるなら成長期です。
用土がしっかりと乾いてから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温が15度近くになってきだしたら徐々に水を与える頻度、量を減らしていきます。
冬
冬の時期、気温が15度以下になってくると休眠状態になり、成長が止まります。
断水気味の管理をしましょう。
ハドラマウチカは非常に小型のユーフォルビアなので、冬の期間(3か月ほど)断水をしてしまうと流石に水切れをおこしてしまいます。
月に1回、用土の表面が湿る程度の軽い水やりを行いましょう。
軽い水やりの時は「根を枯らさない」イメージで水やりをすると良いよ!
水やりをする時間帯としては、暖かくなってくる朝方か昼間に行います。
ハドラマウチカ自生地周辺の降雨量について
ハドラマウチカはソマリアの乾燥地帯に自生しているユーフォルビアです。
ハドラマウト地方は中央に非常に大きな谷(長さ数百メートル級)があり、ハドラマウト地域の核となる都市(Tarim(タリム)を含む)はその谷の上に形成されています。
谷は普段は干上がっていますが、季節雨などで谷底に一時的に水が集まって地下水が高くなり、植物が生育できるようです。
このような特異な環境である事も背景に入れて、
参考程度にハドラマウチカの自生地周辺都市、Tarim(タリム)の年間降水量を見ておきましょう↓

日本と比べると明らかに降水量が少ないのが分かります。
降水量が一番少ない時期は0程度、一番多い時期でも3㎜程度しか降りません。
このことからもハドラマウチカは乾燥に強いことがわかります。水の与えすぎには注意しましょう。
もちろん水を切りすぎても弱ってしまうので、自生地の環境や降水量も参考にして自身の環境にあった水やり頻度を見つけてみてください。
用土

水はけの良い用土を使用しましょう。
我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、軽石、ゼオライト)を混ぜた用土を使用しています。※水はけを良くするために用土は必ずフルイにかけて微塵を取り除いておきましょう。
用土作りも楽しもうね!
植え替え

ハドラマウチカは根の張りがそこまで盛んではないので2年~3年を目安に植え替えを行ってあげると元気に成長してくれます。
植え替えを行う際は、あらかじめ水やりを止めておき、しっかりと用土を乾燥させておきます。
植え替え時の根へのダメージを最小限に抑えるためだよ!
植え替えは出来れば春(3月後半~5月)の間に行いましょう。
本格的な成長期前に行う事で成長が鈍化する季節までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく夏越し、冬越しが出来るようになるでしょう。
植え替えは植物の体力をいっぱい使うから休ませてあげる事が大事だよ!
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、僕たちの強い味方だよ!
植え替えは植物の体力を非常に使うので「冬」の成長が止まっている時期の植え替えは避けましょう。
成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまうリスクがあります。
「春」が来てハドラマウチカが動き出すまで我慢しましょう。
肥料

ハドラマウチカは植え替え時に元肥、成長期(春、秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける為に最初に入れる肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春、秋)に追肥を行いましょう。
追肥として液体肥料を与える場合は月に1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。
ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。
春の時期、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。
肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。
液肥は薄め薄めを意識だよ!
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後すぐや植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
病気、害虫

ハドラマウチカは弱っていたり、乾燥した風通しの悪い環境で育てていると「ハダニ」や「カイガラムシ」が付くことがあります。
ハダニは目視では見つける事が難しいほど白く小さな害虫で植物を吸汁し、吸汁された箇所は黄色く変色してしまいます。多く発生するとクモの巣のような糸を植物に張り巡らてみるみる増えていってしまいます。
ハダニが発生してしまった場合は水で全て洗い流したあと殺虫剤を吹きかけて殺虫、予防をしてあげましょう。
カイガラムシも吸汁性の害虫ですが、体長は2mm~6mmほどで目視で確認することができる害虫です。
カイガラムシは繁殖力も高く、殺虫スプレーが効かない個体もいる厄介な害虫です。
またカイガラムシの排泄物は「すす病」の原因となってしまうので、見つけ次第、ピンセットなどで全て取り除き、害虫予防の為に殺虫剤を散布しましょう。
すす病とは?
植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)が排泄物として糖分を排泄し、その害虫の排泄物にカビが生えた状態をすす病という。
オススメの殺虫スプレーは「ベニカXネクストスプレー」です。
害虫は同じ薬品ばかりを散布していると耐性を得てしまうので一つの殺虫剤を使用するのではなく、それぞれ違った殺虫剤を定期的に散布し、害虫を根絶しましょう。
害虫は一度発生してしまうとかなり厄介なので、発生する前の予防が肝心になってきます。
そのため、害虫が発生しやすい時期(5月~10月)は月に1回程度、定期的に害虫予防のスプレーを散布し、「オルトランDX」などの薬剤も活用しながら害虫予防をしておきましょう。
日々の観察で害虫が付いていないかを確認することも大事だよ!
最後に

ハドラマウチカは日本の夏の暑さでも成長するほど暑さに強くて、寒さには弱い典型的な夏型のユーフォルビアです。
気をつけるべきは冬越しと成長期の過度な水切れです。
ハドラマウチカは寒さに非常に弱いので、冬の時期は出来るだけ暖かく日当たりの良い場所で育ててあげましょう。
また、夏の成長期は上手く水やり頻度を調節できると葉を落すことなく成長してくれるので、自身の環境にあった水やり頻度を見つけてみてください。
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!
