
4稜で柱状のシンプルなユーフォルビア属【ユーフォルビア・マカレンシス】
素朴で可愛いユーフォルビアだね!
同じユーフォルビア属の「白角キリン」にも似ているね
この記事では実際に【ユーフォルビア・マカレンシス】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
その他にも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それでは、どうぞ!
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【ユーフォルビア・マカレンシス】詳細情報

| 植物名 | ユーフォルビア・マカレンシス |
| 原産地 | エチオピア北部 |
| 分類 | トウダイグサ科、ユーフォルビア属 |
| 成長適温 | 春、秋(18度~30度) |
| 成長速度 | 遅い |
| 暑さ | やや強い(蒸れには弱い) |
| 寒さ | やや弱い(5度以下は△) |
| 気候 | 日当たり、風通しの良い場所 |
| 用土 | 水はけの良い用土 |
| 水やり | 成長期は用土がしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える |
特徴
背の低い柱状のユーフォルビア

控えめで小さな棘

4つの稜があり、棘と棘の間が縦に少し凹んでいるのが特徴

子株が良く生えるので群生になりやすい
生育環境
マカレンシスはエチオピア北部・ティグライ州のごく限られた高原部の固有種とされています。
マカレンシスの自生地はIgre Hariba(イグレ・ハリバ) 村の周辺畑地・高原とされ、標高はおよそ 2,300〜2,360 mと非常に高地です。
Igre Hariba(イグレ・ハリバ)の近隣都市は直線距離で10~11kmほど離れた場所に位置する、ティグライ州の州都、Mek’ele(メケレ)です。
マカレンシスの自生地周辺都市ティグライ州‐Mek’ele(メケレ)の年間平均気温は以下の通りです↓

グラフによるとMek’ele(メケレ)の年間平均気温は8度~29度まで変化し、1番気温の下がる時期でも、ほぼ8度以下にはならないようです。
このことからマカレンシスの成長適温は18度~30度で日本では春~秋が成長期になり、冬の寒さには少しだけ弱いことが分かります。
冬の時期、マカレンシスの耐寒温度は3度くらいと言われていますが、念のため気温が5度以下になりそうなら、屋内に取り込んで暖かい場所で冬越しをさせてあげましょう。
また、マカレンシスの自生地周辺Mek’ele(メケレ)は標高約2000mの高地で、日本とは湿度も大きく違ってくるので注意が必要です↓

上のグラフは高湿日が何日あるかの比較表です。
グラフを見るとMek’ele(メケレ)は年間を通して蒸し暑くなる日がほぼ無い事が分かります。
なので、日本の高温多湿の環境下はマカレンシスにとって厳しい環境になります。
夏の時期は、蒸れないように出来るだけ風通しの良い環境で育ててあげましょう。
高温多湿の環境は苦手だから注意してあげようね!
日当たり

成長期の春(3月後半~5月)と秋(10月~11月)は出来るだけ室外管理で日光に沢山あててあげましょう。
マカレンシスは高地原産のユーフォルビアなので日差しが強くても株焼けする心配はあまりないですが、夏場(6月~9月)に直射日光に当ててしまうと株や鉢内の温度が上がりすぎて、蒸れの原因になってしまいます。
夏場は蒸れのリスクを避けるため、20~50%ほど遮光するか、直射日光の当たらない明るい環境で管理してあげましょう。
冬の時期、室内管理をしている場合も日当たりの良い窓辺などで管理してあげましょう。
冬場、日光に当ててあげると耐寒性も高める事ができるよ!
日光が不足すると病気にかかりやすくなったり、突然腐ってしまうなど軟弱な株になってしまうので、年間を通して十分な光量を確保できない場合は「育成ライト」を活用しましょう。
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
マカレンシスは乾燥には強いですが、成長期には他の多肉ユーフォルビア(オベサやホリダなど)よりも少し水を好む特徴があります。
基本的には用土がしっかりと乾いてから、水をたっぷりと与えましょう。
春
春、気温が15度~20度を超えてくると休眠からあけて徐々に成長を始めます。
休眠からあけてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。
根が動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。
成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
日々の観察が大切だね!
夏
夏の時期、マカレンシスは高温多湿を苦手としており、気温が35度近くになってくると半休眠状態になり成長が鈍化します。
夏場の水やりは用土が中まで乾いて+4日〜5日あけてから、夕方以降の気温が低くなってきた時間帯に水をたっぷり与えてましょう。
夏場は用土が早く乾いて、水やりの頻度が多くなりがちだから気を付けようね!
秋
秋、気温が(18度~30度)なら成長期です。
通常通り、用土がしっかり乾いてから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温が10度近くになってきだしたら徐々に水を与える頻度、量を減らしていきます。
冬
冬の時期、気温が10度以下になってくると休眠状態になり、成長がほぼ止まります。
断水気味の管理をしましょう。
ですが、水のきりすぎで細根が全て枯れてしまわないように月に1回~2回ほど用土の表面が湿る程度の軽い水やりを行います。
水やりをする時間帯としては、暖かくなってくる朝方か昼間に行いましょう。
冬の時期は気温が低くなってくる夕方~夜中に水やりをすると根が冷えて弱ってしまう恐れがあるから避けようね!
マカレンシス自生地周辺の降雨量について
マカレンシスはエチオピア高地に自生しているユーフォルビアです。
参考程度にマカレンシスの自生地周辺都市、Mek’ele(メケレ)の年間降雨量を見ておきましょう↓

グラフを見ると明確に乾季と雨季がある事が分かります。
降雨量が一番少ない時期は4㎜程度、一番多い時期は175㎜の雨が降るようです。
このことからも、葉の無い多肉ユーフォルビアには珍しく、成長期には水を好むことが分かります。
なので、他の多肉ユーフォルビア(オベサやホリダなど)よりも成長期には少し水やり頻度が多めでも良いでしょう。
水やり後は特に風通しの良い場所において、蒸れないように注意してあげようね!
自生地の降水量も参考にして自身の環境にあった水やり頻度を見つけてみてください。
用土

水はけの良い用土を使用しましょう。
我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、軽石、ゼオライト)を混ぜた用土を使用しています。※水はけを良くするために用土は必ずフルイにかけて微塵を取り除いておきましょう。
用土作りが難しい方は「塊根植物用の培養土」がオススメです↓
粒が硬くて排水性が良いからオススメだよ!
植え替え

マカレンシスは根の張りがそこまで盛んではないので2年~3年を目安に植え替えを行ってあげると元気に成長してくれます。
植え替えを行う際は、あらかじめ水やりを止めておき、しっかりと用土を乾燥させておきます。
植え替え時の根へのダメージを最小限に抑えるためだよ!
植え替えは出来れば春(3月後半~5月)の間に行いましょう。
本格的な成長期前に行う事で成長が鈍化する季節までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく夏越、冬越しが出来るようになるでしょう。
もし、「春」に植え替えが出来ずに「秋」に植え替えを行う場合は出来るだけ根をいじらないような植え替えを心がけましょう。
「秋」に大胆に根を整理してしまうと成長が止まってしまう「冬」までにしっかりと根を張ることが出来ず、調子を崩してしまうためです。
植え替えは植物の体力をいっぱい使うから休ませてあげる事が大事だよ!
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、僕たちの強い味方だよ!
植え替えは植物の体力を非常に使うので「冬」の成長が止まっている時期の植え替えは避けましょう。
成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまうリスクがあります。
「春」が来てマカレンシスが動き出すまで我慢しましょう。
肥料

マカレンシスは植え替え時に元肥、成長期(春、秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける為に最初に入れる肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春、秋)に追肥を行いましょう。
追肥として液体肥料を与える場合は月に1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。
ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。
春の時期、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。
肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。
液肥は薄め薄めを意識だよ!
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後すぐや植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
増やし方
株分け
マカレンシスは子株を良くつけるので、「株分け」で容易に増やすことが可能です。
成長期(できれば春)に清潔なカッターなどで子株を切り取ります。
ユーフォルビアの傷口からでる白い液は微毒だから触らないように注意しようね!
風通しの良い場所で切り口を良く乾燥させて用土に植え付けます、その際はすぐに水やりはせずに1週間後に水を与えましょう。
その後も用土が完全に乾き次第水やりを繰り返すと3~4週間ほどで根が生えてきます。
胴切り
マカレンシスは「株分け」以外にも「胴切り」で増やすことが可能です。
成長期(できれば春)に清潔なカッターなどで株の胴を切ります↓


風通しの良い場所で切り口を良く乾かして、発根促進剤の「ルートン」を切り口に付けます。
用土に植え付けて1~2週間後に水やりをして、その後も用土が完全に乾き次第水やりを繰り返すと1か月ほどで根が生えてきます。

病気、害虫

マカレンシスは弱っていたり、乾燥した風通しの悪い環境で育てていると「ハダニ」や「カイガラムシ」が付くことがあります。
ハダニは目視では見つける事が難しいほど白く小さな害虫で植物を吸汁し、吸汁された箇所は黄色く変色してしまいます。多く発生するとクモの巣のような糸を植物に張り巡らてみるみる増えていってしまいます。
ハダニが発生してしまった場合は水で全て洗い流したあと殺虫剤を吹きかけて殺虫、予防をしてあげましょう。
カイガラムシも吸汁性の害虫ですが、体長は2mm~6mmほどで目視で確認することができる害虫です。
カイガラムシは繁殖力も高く、殺虫スプレーが効かない個体もいる厄介な害虫です。
またカイガラムシの排泄物は「すす病」の原因となってしまうので、見つけ次第、ピンセットなどで全て取り除き、害虫予防の為に殺虫剤を散布しましょう。
すす病とは?
植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)が排泄物として糖分を排泄し、その害虫の排泄物にカビが生えた状態をすす病という。
オススメの殺虫スプレーは「ベニカXネクストスプレー」です。
害虫は同じ薬品ばかりを散布していると耐性を得てしまうので一つの殺虫剤を使用するのではなく、それぞれ違った殺虫剤を定期的に散布し、害虫を根絶しましょう。
害虫は一度発生してしまうとかなり厄介なので、発生する前の予防が肝心になってきます。
そのため、害虫が発生しやすい時期(5月~10月)は月に1回程度、定期的に害虫予防のスプレーを散布し、「オルトランDX」などの薬剤も活用しながら害虫予防をしておきましょう。
日々の観察で害虫が付いていないかを確認することも大事だよ!
最後に

マカレンシスはある程度の暑さ、寒さ、乾燥にも強く育てやすいユーフォルビアです。
気をつけるべきは夏の時期の蒸れです。
マカレンシスは元々は高地の乾燥地帯に自生しているユーフォルビアで、湿度の高い環境にあまり耐性が無いです。
高温多湿になる夏の時期は特に風通しに気を付けて管理してあげましょう。
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!
