【ビカクシダ・ベイチー】は白い株姿が特徴的なビカクシダです。
ビーチーは白く美しい見た目なのでオシャレな部屋のインテリアとしても人気の高い品種です。
白いビカクシダは存在感があるね!
オシャレな部屋に置いてもらってありがたい限りじゃ!
この記事では実際にビカクシダ・ベイチーを育てている私が体験談も踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それではどうぞ!
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【ビカクシダ・ベイチー】詳細情報
植物名 | ビカクシダ・ベイチー(ヴィーチー) |
原産地 | オーストラリア |
分類 | ウラボシ科、ビカクシダ属 |
成長適温 | 春~秋(15度〜28度) |
成長速度 | 普通〜遅い |
暑さ | 強い |
寒さ | やや強い(5度以下△) |
気候 | 直射日光の当たらない明るい場所 |
用土 | 水苔、ベラボン |
水やり | 水苔が乾いたら、たっぷり |
特徴
ビカクシダは株の中心部から株を覆うように丸く伸びる「貯水葉」、鹿の角のように上に伸びる性質を持つ「胞子葉」からなります。
「貯水葉」は内部の構造がスポンジ状になっており、水を蓄える事のできる葉です。
「胞子葉」は文字通り葉の先端部分に胞子が着く葉です。
「ビカクシダ」の名前の意味としては「ビカク」はオスの鹿の角と言う意味で、上に伸びる葉がオスの鹿の角のように見える事からきています。
「シダ」はそのままシダ植物である事からきています。
自生地で樹木に着生し、垂れ下がる姿がコウモリに見える事から「コウモリラン」とも呼ばれています。
「鹿の角」だったり「コウモリ」に例えられたり面白い植物だね!
「ビカクシダ・ベイチー」
ベイチーはビカクシダの人気種です。
全体に星状毛(せいじょうもう)と言われる白く短い毛がびっしりと生えているので、株全体が白く美しく見えるのが特徴です。
ベイチーは板付にすると立派なインテリアとしても存在感を放ちます。
星状毛(せいじょうもう)は一度剥がれるとそこから生えてくることはないんじゃ。
なので、ベイチーの白さをキープする為には出来るだけ星状毛は触らない方がいいぞよ!
生育環境
ベイチーの原産地はオーストラリアの森林地帯で、木や岩などに着生しています。
成長適温は18度~28度で日本では春、秋が成長期になります。
真夏の時期は30度以上になると成長が鈍化して、冬は気温が8度以下になると成長が鈍化する印象です。
ある程度湿度がある環境を好みますが、湿度が高すぎると菌が繁殖しやすく病気にかかってしまう事があるので注意が必要。
成長期には屋外で管理することも可能です。
室内で管理する場合はサーキュレーターなどで風の流れを作ってあげると元気に育ちます。
ベイチーは比較的寒さには強く、冬の時期は3度〜5度くらいまで耐える事ができますが、出来るだけ5度以下にならないように管理してあげましょう。
もちろん、個体差やコンディションもあるから注意してね!
日当たり
春、秋の過ごしやすい時期に関しては屋外で遮光された日光と沢山の風に当ててあげると非常に元気に育てる事ができます。
ですが、日差しが強い夏の時期は必ず50%ほど遮光し、直射日光には当てないように注意しましょう。
ベイチーを屋外管理にしたときに一時的に夏の直射日光に当ててしまったのですが、
一目見ただけで元気が無くなっていると判断できるほどに弱っていました。
分かりやすく弱っとるの!
慌てて屋内に取り込みましたが、
数時間後何事も無かったかのように復活していました
ビカクシダが一時的に弱ってしまった原因としては、「夏の直射日光」以外にも「室内管理から屋外管理に切り替えた急な環境の変化」などが考えられます。
ベイチーは過ごしやすい春、秋の時期(15度~28度)に屋外管理をしてあげる事で非常に元気に成長してくれますが、夏の時期(30度以上)の室外管理は様々な要因が重なると弱ってしまう原因にもなるので涼しい場所で管理してあげましょう。
夏の時期の直射日光や環境を変化させた際は注意して観察しないとね!
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
ビカクシダ・ベイチーは年間を通して、水苔が乾いたら水をたっぷりと与えましょう。
春、秋
春、秋、気温が15度~28度なら成長期です。
水苔が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
板付の場合はバケツや浴槽などに水を溜めてビカクシダ全体を水に沈めるどぶ漬けをすることが出来ます。
どぶ漬けにする場合は、水苔から気泡が出てこなくなるまでしっかりと水につけましょう。
水はたっぷり与えてしっかり乾かす!
メリハリが大事だよ!
(もちろん他の植物同様、シャワーやジョウロで水やりをしてもOKです。)
夏
夏も成長期ですが、気温が30度以上になってくると成長が鈍化して、夏バテのようになります。
夏は午前中に水やりをしてしまうと、日中気温が高くなった時(35度近く)に株が煮えてしまう事があります。
気温の高い日中に水やりはせず、気温が低くなってくる夕方頃に与えましょう。
冬
冬、気温が8度以下になってくると成長が鈍化して水を吸う力が弱くなり、水苔が乾くまでの日数が長くなります。
成長が鈍化している時期はいつまでも用土(水苔)が乾かない状態が続いてしまい根腐れの原因になってしまいます。
冬は根腐れが起こらないように乾燥気味に育てましょう。
冬に水やりをした場合は出来るだけ暖かい部屋で管理して、サーキュレーターをしっかり当てるなど、水苔が早く乾く工夫をしましょう。
ビカクシダ水やり時の注意点
ビカクシダはシャワーで軽く水を与える程度だと、貯水葉に阻まれて水苔の中まで充分に水が入らない事があります。
また、水苔は乾燥すると水を弾く性質があるので、しっかりと水苔の中まで水を行きわたらせるイメージで水やりをしましょう。
また、定期的に葉水をしてあげると葉が綺麗な状態を保つことが出来て害虫予防にもなります。
オススメの葉水スプレーです↓
冬の時期はシャワーで直接水を与えると水が冷たすぎて根にダメージを与えてしまう事があります。
氷水は勘弁じゃよ!
人肌より少し冷たいぐらいの水を作って与えるようにしましょう。(もちろん、熱いシャワーはNGです。)
用土(水苔)
ビカクシダを板付にする場合は保水力の高い水苔を使用します。
鉢に植え付ける場合も水苔でも良いのですが、排水性が心配な場合は「ベラボン」を使用しましょう。
ベラボンとは?
ヤシの実の繊維を特殊加工して作られた植物の植え込み材です。
「吸水性」「排水性」「通気性」を備えています。
水苔の産地は「チリ産」「ニュージーランド産」「国産」と色々ありますが、質の良いと言われている、「ニュージーランド産」「国産」がおすすめです。
植え替え(苔増し)
成長期の暖かい時期に行いましょう。
おすすめは成長期始めの春(3月後半~5月)です。
本格的な成長期前に植え替え(苔増し)を行う事で、成長が鈍化する冬までに十分に根を張ることが出来て体力が付くので、冬越しが楽になります。
冬の時期、成長が鈍化しているビカクシダを無理に植え替えてしまうと、根っこのダメージを回復させられず弱ってしまうので注意が必要です。
冬場の植え替えは避けましょう。
貯水用が大きく伸びて水苔が全て覆いつくされてしまうなら、「苔増し」のタイミングです。
ビカクシダを着生させている流木や板から1度剥がして、水苔を足していきましょう。
古い水苔を取る際に根を傷つけてしまうと成長が凄く鈍くなってしまいます(経験済み)
春に植え替え(苔増し)を行うと、冬までに充分に根を張る事ができ、株も体力をつける事ができるので冬越しが容易にできるようになるでしょう。
株の種類や大きさ、環境によって植え込み資材はアレンジしてみるんじゃよ!
肥料
ビカクシダは肥料を好む植物と言われており、与える肥料としては固形肥料、液体肥料があります。
固形肥料を与える場合は、水苔に緩効性肥料(マグァンプK)を入れる方法と置き肥を使う方法があります。
緩効性肥料(マグァンプK)を使う方法としては、植え替えや苔増しの際にビカクシダの根に直接緩効性肥料(マグァンプK)が触れるように水苔の中に入れます。
また、置き肥を使う方法としては肥料容器に置き肥を入れて、植え付けているビカクシダの上側(枯れた貯水葉の裏側)に設置しましょう。
水やり時に置き肥の成分が溶け出して、ゆっくりと時間をかけて効いていきビカクシダを元気にしてくれます。
置き肥の注意点としては、肥料が直接ビカクシダの貯水葉などに触れていると肥料焼けを起こして茶色く変色し、更に悪化するとその部分がブヨブヨになって腐る事があるようです。
置き肥がビカクシダに直接触れないように置き肥を使う場合は必ず肥料容器を使いましょう。
私は「プロミック」という置き肥を使用しています。
私が使用している置き肥容器です。色が水苔と馴染んで違和感なく、置き肥の錠剤が2つピッタリ入ります。
液体肥料を使用する場合は、成長期の春~秋にかけて1か月に1~2回のペースで与えます。
オススメの液体肥料は「ハイポネックス原液」です。
液体肥料を与える場合は、肥料過多にならないようにまずは薄めに作って与えて様子を見ましょう。
肥料は徐々に慣らしていく感じで与えたら良いよ!
ビカクシダを早く成長させたい気持ちは分かりますが、
肥料を与える際は用法容量を守りつつビカクシダのコンディションを見極めて使用してください。
増やし方
株分けや胞子で増やす事ができます。
ビカクシダは根の先から子株ができてきます。なので、普通に育てていると子株ができます。
植え付け方によって子株が出てくる数を増やせそうだね!
その子株を切り離し、親株と同じように水苔に植え付けて増やす事ができます。
胞子で増やす方法としては、胞子葉についている胞子をとり、封筒や新聞に包んで1週間程度乾燥させます。
ピートモスなどで胞子のまき床を作り、乾燥させた胞子をまき床に撒いて高湿度を保ちながら管理していると「前葉体」という苔のようなものができ、その後、幼苗が出てきます。
細かい手順はもっとありますが、ここでは省きます。
胞子培養は少し難易度が高く、苗になるまで時間がかかります。(3ヶ月〜5ヶ月くらい)
発芽した胞子培養株は乾燥に凄く弱いので注意が必要です。
病気、害虫
病気
ビカクシダは株が弱っていたり、高温、風通しの悪い環境で育てていると、葉に黒い斑点が発生する「褐斑細菌病」を発生することがあるようです。
「褐斑細菌病」は菌類によるもので、感染しますがビカクシダがすぐに枯れてしまうような病気では無いのでそこまで心配は要りません。
ただ、葉に黒く斑点が発生してしまうと見た目が悪くなってしまうので発生を予防するために風通しの良い所で乾燥気味に育てるか、黒い斑点が気になるようでしたら殺菌したハサミなどで葉の根元からカットしても良いでしょう。
害虫
「ハダニ」「アブラムシ」「カイガラムシ」がつく事があります。
害虫予防には葉水が有効ですが、もし害虫が発生してしまったら薬剤を使い駆除しましょう。
おすすめの薬剤は「ベニカXネクストスプレー」です!
(カイガラムシはスプレー材が効かない事があるので見つけ次第、手作業で取って駆除した後にベニカXネクストスプレーを吹きかけましょう。)
最後に
ベイチーは白く繊細そうな見た目とは裏腹に非常に育てやすい植物です。
年間を通して注意すべきは夏の時期の「夏バテ」と「直射日光」です。
暑い時期は風通しの良い涼しい場所で管理してあげて、日差しが強い時期は必ず遮光された環境で育ててあげましょう。
ベイチーは板付や流木付けにすればオシャレな部屋のインテリアとしても存在感を放ちます。
皆さんも是非、白くてきれいなビカクシダ・ベイチーを迎えて部屋の雰囲気をワンアップしてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んで頂きありがとうございます。
一緒にボタニカルライフ楽しんでいきましょう!