
【奇想天外(ウェルウイッチア・ミラビリス)】
生涯2枚だけの葉を伸ばし続けるビザールプランツ。
野生の奇想天外はナミビアにあるナミブ砂漠のみに自生していて、寿命は2千年を超えるものもいる。
「奇想天外」名前にぴったりのビザールプランツだね!
寿命が2千年以上は驚きじゃのう!
この記事では実際に【ウェルウィッチア(奇想天外)】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それでは、どうぞ!
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【ウェルウィッチア・ミラビリス】詳細情報

| 植物名 | ウェルウイッチア・ミラビリス(奇想天外) |
| 原産地 | ナミビア(ナミブ砂漠沿岸) |
| 分類 | ウェルウイッチア科、ウェルウイッチア属 |
| 成長適温 | 春、秋(18度~28度) |
| 成長速度 | 普通〜遅い |
| 暑さ | やや弱い(35度近くは△) |
| 寒さ | やや弱い(5度以下は△) |
| 環境 | 日当たり、風通しの良い場所 |
| 用土 | 保水力と通気性のある用土 |
| 水やり | 成長期は用土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える |
特徴
生涯2枚だけの葉を伸ばし続けます。

葉の根元は株が大きくなると木質化してきます。

生涯の葉が2枚だけの植物なんて見たことが無いね!
生育環境
奇想天外の自生地はナミブ砂漠の中央~北部でナミビアのクイセブ川(Kuiseb)からアンゴラ側のニコラウ川(Nicolau)まで約1,100kmの細長い範囲に分布し、その中でも4つ前後の主要なかたまりに分かれて自生しているようです。
ナミビアのスワコプムントから内陸30~50kmの場所に位置するウェルウイッチア平原では最も密度の高い群落がある事で知られています。
ウェルウイッチア平原の最寄り都市のスワコプムントの年間平均気温は以下の通りです↓

ナミブ砂漠と聞くと非常に暑いイメージがありましたが、奇想天外自生地周辺都市(スワコプムント)はナミブ砂漠の西(海側)で非常に過ごしやすい気候のようです。
ナミブ砂漠の東(内陸)側は日中は40度近くまで上がって冬の夜は0度を下回る事もある厳しい環境みたいだよ!
スワコプムントの年間平均気温は10度~23度の変化にとどまり、一番気温の下がる時期でもほぼ10度以下にはならないようです。
実際に奇想天外を「夏型」だと思って、夏の時期(35度近く)に屋外管理をしていた時期がありましたが、ストレスカラーが出て株が赤みを帯びてしまい、明らかに成長が鈍化していました↓

そこからは室内管理で気温の安定した室内(18度~28度)で育てていますが明らかに調子が良いです↓

このことから奇想天外の日本での成長適温は18度~28度で春、秋が成長期になります。
春と秋の成長期は風通しの良い屋外で管理してあげると元気に成長してくれますが、夏の時期(30度以上)は風通しの良い涼しい場所か、気温の安定した室内(18度~28度)で管理してあげましょう。
また、奇想天外の自生地周辺都市(スワコプムント)と日本(東京)の環境では湿度も大きく違うことも覚えておきましょう↓

上のグラフは高湿日が何日あるかの比較表です。
スワコプムントは日本(東京)と比べると蒸し暑くなる日がほとんど無いことが分かります。
置き場所の風通しにも注意して、蒸れる事の無いように管理してあげましょう。
冬の時期、奇想天外の最低温度は5度くらいと言われていますが、念のため気温が8度以下になりそうなら、屋内に取り込んで冬越しさせてあげましょう。
日当たり

年間を通して日当たりの良い場所で管理します。
我が家では室内の日当たりの良い場所で奇想天外を管理していますが非常に調子が良いです。
なので、他の多肉植物やパキポディウムほどは直射日光に当てる必要はないと考えています。
ですが、日光が不足すると軟弱な株になってしまうので年間を通して日当たりの良い場所で管理してあげましょう。
冬の時期に室内管理をしている時でも、出来るだけ日当たりの良い窓辺に置いて、沢山の日光に当ててあげると耐寒性も高める事ができます。(※夜間の窓際は低温になることがあるので注意!)
耐寒性が上がると、調子を崩す事なく冬越しが出来るようになるよ!
奇想天外は年間を通して日当たりの良い場所を好むので、充分な日当たりを確保できない人は「育成ライト」を活用しましょう。
育成ライトがあれば、日照時間が短い冬の時期も「日照不足」になることなく乗り切ることができます。
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
奇想天外は水が大好きな植物です。年間を通して水切れさせないように気を付けましょう。
基本的には用土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
用土の表面は目視で確認できるから水やりタイミングは簡単じゃのう!
奇想天外の自生地周辺の降雨量について
奇想天外はナミブ砂漠沿岸の乾燥地帯に自生しています。
参考程度に奇想天外の自生地の周辺都市(スワコプムント)の年間降雨量を見ておきましょう↓

日本と比べると明らかに降雨量が少ないのが分かります。
降雨量が一番少ない時期は0〜1㎜程度、1番多い時期でも5㎜程度しか降りません。
このことからも奇想天外は乾燥に強いと思われるかもしれませんが自生地の環境はもう少し複雑です。
奇想天外の自生地は霧の発生が多く、葉は霧の水分を株元に集める事ができるようになっています。
また、ウェルウィッチアは「乾いた河床の近くや岩場の斜面に生育し、地下水にアクセスしている」と説明されており、霧からの水分に加え、地下水やまれな洪水からの水分を利用しているとされています。
自生地の環境を知ることはとっても大事だよ!
奇想天外の水やりについて
奇想天外は季節ごとの成長速度は変わっても「用土の表面が乾いたら水やり」の繰り返しで栽培することができます。イメージとしては草花を育てるくらいのペースでの水やりでOKです。
根腐れを心配されるかもしれませんが、我が家の奇想天外はこのペースの水やりで根腐れをしたことがないので大丈夫だといえます。
それなら「腰水管理の方が良いのでは?」と思われるかもしれませんが、腰水管理だと用土の中の不純物を流したり、用土中の空気の入れ替えなどが出来ないので、用土の上からの水やりの方が調子よく成長してくれます。
また、用土が乾いてしまってもすぐに枯れてしまう事はないので、気軽に水やりを行いましょう。
奇想天外の水やりは思ったより簡単だね!
用土、鉢

保水性と通気性の良い用土を使用しましょう。
我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、ゼオライト)を混ぜた用土を使用しています。
用土も自分で考えて工夫してみると楽しいぞよ!
鉢は奇想天外の大きさにもよりますが、ロングのスリット鉢がオススメです。
理由としては、主根を深く張ることが出来て、スリット鉢なので根が鉢の底でサークルせずに鉢全体に根を広げる事ができるためです。
植え替え
奇想天外の植え替えは非常に重要です。
植え替えは出来れば春(4月~6月)の間に行いましょう。
本格的な成長期前に行う事で成長が鈍化する季節までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく「冬越し」が出来るようになるでしょう。
実際の植え替え手順↓
奇想天外は「直根」が非常に発達する植物なので、その直根を植え替え時に折ってしまうと非常に成長が遅くなるか、最悪の場合枯れてしまいます。
株が小さいうちは主根が非常に弱弱しいので折ってしまわないように慎重に用土から取り出して植え替えを行いましょう。
我が家では植え替え時に1株の主根を折ってしまいました↓


主根を折ってしまった奇想天外は枯れてはいないですが、主根を折っていない2株に比べて成長が著しく遅いです↓


やっぱり大事な主根を折ってしまうとその後の成長が凄く遅くなっちゃうんだね!
また、奇想天外が小さいうちは植え替え中に根が乾燥してしまわないように水に浸けてあげましょう↓

奇想天外は小さい株のうちは出来るだけ植え替えを行わない方が無難です。
ある程度大きくなってくると根っこも強くなり、植え替え時のリスクが軽減できるので出来るだけ成長させてから植え替えるようにしましょう。
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、ワシらの強い味方じゃよ!
植え替えは植物の体力を非常に使うので「冬」などの成長が鈍化している時期の植え替えは避けましょう。
成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまうリスクがあります。
春が来て奇想天外が動き出すまで我慢しましょう。
増やし方

奇想天外は子株が出たりすることは無いので、種まきで増やします。
種は専門サイトやフリマアプリで購入することが出来ます。

種を手に入れたら一晩メネデール希釈水に浸けて、夏(6月~8月)の最低気温が20度以上ある時期に種まきを行います。
湿度を保って管理していれば2~3日で発芽してきます。
奇想天外の種まき方法を実際の手順で詳しく解説しているのでこちらを確認してください↓
奇想天外は種まきの時期を間違えなければ、基本的に発芽率は良いかと思います。
肥料

奇想天外は肥料を好む植物です。
奇想天外は植え替え時に元肥、成長期(春〜秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春〜秋)に追肥を行いましょう。
追肥として液体肥料を与える場合は月に1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。
ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。
春の時期、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。
肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。
1つ1つの植物にあった肥料の与え方を調節していくんじゃぞ!
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
病気、害虫

奇想天外は病害虫に強いのであまり心配は要りませんが、一般的に植物に付く害虫に注意しましょう。
オススメの害虫予防・殺虫剤は「ベニカXネクストスプレー」です。
害虫は同じ薬品ばかりを散布していると耐性を得てしまうので一つの殺虫剤を使用するのではなく、それぞれ違った殺虫剤を定期的に散布し、害虫を根絶しましょう。
害虫は一度発生してしまうとかなり厄介なので、発生する前の予防が肝心になってきます。
そのため、害虫が発生しやすい時期(5月~10月)は月に1回程度、定期的に害虫予防のスプレーを散布し、「オルトランDX」などの薬剤も活用しながら害虫予防をしておきましょう。
日々の観察で害虫が付いていないかを確認することも大事だよ!
最後に

奇想天外は難物のビザールプランツのように見えますが実は非常に育てやすい植物です。
できるだけ人が過ごしやすい気温を維持して、水を切らさずに育てる事が出来れば基本的には元気に成長してくれます。
気を付けるべきは、夏の暑さや冬の寒さに当てすぎない事と植え替え時に主根を切ってしまわない事です。
それさえ気を付ける事が出来れば元気な奇想天外を育てる事が出来るでしょう。
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!

