
アガベ属の中でも一際個性を爆発させている【ユタエンシス・エボリスピナ】
その力強く攻撃的な姿が好きな方も多いのではないでしょうか?
私たちと同じアガベ属なんだって
長い棘がカッコいいね!
この記事では実際に【ユタエンシス・エボリスピナ】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それではどうぞ!
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【ユタエンシス・エボリスピナ】詳細情報

| 植物名 | ユタエンシス・エボリスピナ |
| 原産地 | アメリカ(ネバダ州南部~カリフォルニア州東部) |
| 分類 | リュウゼツラン科、アガベ属 |
| 成長適温 | 春、秋(15度〜28度) |
| 成長速度 | 非常に遅い |
| 暑さ | 強い(蒸し暑さには弱い) |
| 寒さ | 非常に強い(ー10度以下×) |
| 気候 | 日当たり、風通しが良く乾燥した気候を好む |
| 用土 | 排水性の良い用土 |
| 水やり | 用土がしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷり与える |
特徴
ユタエンシス系統の変異種である「エボリスピナ」の特徴としては、

おなじユタエンシス系統の「ネバデンシス」の特徴は
凄く似ているので分かりにくいですが、このような特徴の違いがあるようです。
長く、鋭く伸びた棘に牙のような鋸歯(きょし)をつけ攻撃的な姿です↓

通常、エボリスピナの棘は上に真っ直ぐ伸びますが、
私が育てているエボリスピナは【陽炎】と言われ、長く伸びた棘が陽炎(カゲロウ)の様にゆらゆらして見えるのが特徴です↓

陽炎(かげろう)とは?
地面などが熱せられた際、空気がゆらゆらと立ち昇るために景色がゆらめいて見える現象。
生育環境
ユタエンシス・エボリスピナはアメリカ、ネバダ州南部(ラスベガス周辺)~カリフォルニア州東部が代表的な自生地です。
詳しくは、カリフォルニア州‐モハーベ砂漠東部のノパ山脈(Nopah Range)が最も代表的な自生地とされています。
ノパ山脈に一番近い集落Shoshone(ショショーニ)の年間平均気温は以下の通りです↓

グラフによるとノパ山脈周辺集落Shoshone(ショショーニ)の気温は年間で-7度〜31度まで変化します。一番寒い時期の体感温度は-13度にもなるようです。
エボリスピナの日本での成長期は春、秋(15度~28度)で過ごしやすい季節が成長期になります。
「夏は40度以上になる場所に生息しているなら、夏も成長期では?」とおもうかも知れませんが、エボリスピナの自生地周辺環境と日本の環境では全く違うので注意が必要です↓

上のグラフは高湿日が何日あるかの比較表です。
グラフを見るとノパ山脈周辺の集落(Shoshone)は年間を通して蒸し暑くなる日がほぼ無い事が分かります。
また、エボリスピナはノパ山脈の標高1,100〜1,500m前後の高地で極乾燥の山岳斜面に自生しており、常に強風にさらされているため、日本の夏の時期の蒸れ(高湿日)には非常に弱いです。
高温多湿になる夏の時期は蒸れて腐ってしまいやすいので、蒸れないように風通しの良い涼しい環境で管理してあげましょう。
冬の時期、エボリスピナは非常に寒さに強く、耐寒温度は-10度と言われてるので屋外冬越しも可能ですが冬の時期も過湿にならないように風通しに注意して管理してあげましょう。
寒さには強いけど、油断は禁物だよ!
エボリスピナは他のアガベ属とは育て方が違う事を覚えておこうね!
日当たり

エボリスピナは高山性のアガベで自生地では強烈な日光にさらされています。
そのため、年間を通して日当たりの良い場所を好みます。
春、秋、冬は出来るだけ日当たりの良い場所で管理してあげましょう。
ですが、上記でも記載した通り日本の夏は湿度が高く、直射日光に当ててしまうと株や鉢の温度が急上昇し蒸れるリスクが高くなってしまいます。
日光に当てる事も大切ですが、蒸れで枯らしてしまっては元も子もありません。
日当たり<蒸れ対策です。
幸いにもエボリスピナは成長が非常に遅いので他のアガベ属に比べると「徒長」の心配があまりありません。
株の温度が上がって蒸れないように、夏場は寒冷紗などで遮光するか、明るい日陰で管理してあげましょう。
エボリスピナは年間を通して日当たりの良い場所を好むので、どうしても室内管理になってしまう人は「育成ライト」を活用しましょう。
育成ライトがあれば、日照時間が短い冬の時期も「日光不足」で弱ってしまうことなく乗り切ることができるね。
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
ユタエンシス・エボリスピナは乾燥には強いので年間を通して乾燥気味に育てます。
基本的には用土がしっかりと乾いてから、水をたっぷりと与えましょう。
春
春は成長期です。
用土がしっかりと乾き次第、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
メリハリをつけた水やりが元気に育てるコツだよ!
夏
日本の夏は蒸し暑く、エボリスピナには慣れない気候なので水やりも注意が必要です。
エボリスピナは暑さにも強いですが日本の蒸し暑い環境下では30度を超えてくると成長が鈍化します。
夏の時期は蒸れないように乾燥気味で管理(用土がしっかりと乾いて+5日くらいで水やり)しましょう。
夏の水やりは気温が高い日中に行うと、蒸れて株が痛んでしまう事があります。
必ず、水やりを行う際は気温が低くなってくる夕方以降に行いましょう。
水を与えた場合も、積極的に風を当てて蒸れる事の無いように注意しましょう。
秋
秋はエボリスピナが最も動く時期です。
水やりは通常通り用土がしっかり乾いてから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
気温が10度を下回ってきたら、徐々に水を与える頻度を減らしていきましょう。
植物の動きに合わせた水やりが大事だね!
冬
冬は気温が5度を下回ってくると成長が鈍化します。
成長が鈍化したら水やり頻度を控えめにして管理しましょう。
用土がしっかりと乾いて+5日~7日空けてからたっぷりと水やりを行います。
エボリスピナ自生地周辺の降雨量について
エボリスピナはカリフォルニア州‐ノパ山脈の極乾燥地帯に自生しているアガベです。
参考程度にエボリスピナの自生地周辺(Shoshone)の年間降水量を見ておきましょう↓

日本と比べると明らかに降水量が少ないのが分かります。
降水量が一番少ない時期は5㎜程度、一番多い時期でも24㎜程度しか降りません。
また、エボリスピナはノパ山脈の強烈な日差しと強風の環境なので、さらに水分が少ない環境であると推測できます。
このことからもエボリスピナは乾燥に強いことがわかります。水の与えすぎには注意しましょう。
もちろん水を切りすぎても成長が遅くなったり弱ったりしてしまうので、自生地の降水量も参考にして自身の環境にあった水やり頻度を見つけてみてください。
用土

エボリスピナは蒸れで枯れてしまいやすいので水はけの良い用土を使用しましょう。
私が使っている用土は、(赤玉土、鹿沼土、軽石多め)を混ぜた用土です。
水はけを良くするために用土はフルイにかけて微塵を取り除いておきましょう。
「軽石多め」で蒸れにくい用土配合がポイントだよ!
用土作りが難しい方は市販で販売されている「アガベの土」を使用すると良いでしょう↓
植え替え

真夏と冬を避けた比較的暖かい時期ならいつでも問題無いですが、できれば成長期始めの3月下旬〜5月の間に行いましょう。
成長期始めに行う事で、成長が鈍化する季節までにしっかりと根をはることができ、体調を崩す事なく「夏越し」「冬越し」ができるようになります。
植え替えを行う際は、出来るだけ用土を乾燥させておきましょう。
植え替え時のダメージを最小限に抑えるためですよ!
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、僕たちの強い味方だよ!
「冬」や「真夏」など、エボリスピナの成長が鈍化している時期の植え替えは避けましょう。
植物の成長が鈍化している時に植え替えを行うと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまいます。
エボリスピナが動き出す春、秋まで我慢しましょう。
肥料

エボリスピナは肥料をあまり必要としないので、基本的には植え替え時に元肥を与えるだけで充分です。
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料だよ!
元肥は「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
施用後、養分がゆっくり長期間にわたって放出される肥料のことです。
一度に溶け出さず、土壌中で少しづつ溶けて、植物が長期間吸収できる形で供給されるので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
1年以上植え替えを行っていない場合は成長期に追肥を与えましょう。
追肥として液体肥料を与える場合は成長期に月1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。
ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けには注意が必要です。
肥料焼けとは?
過剰な肥料により土壌の塩類濃度が高くなり、浸透圧ストレスによって根の細胞が損傷し、植物が枯死または生育障害を起こす現象のこと
成長期に入って、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。
肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。
液肥は薄め薄めを意識しようね!
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え直後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
増やし方
エボリスピナは株分け、種まきで増やす事ができます
エボリスピナは他のアガベ属に比べて子株が生えてきずらいので、種から育てる方が無難でしょう。
ネットやフリマサイトで種を購入し、暖かい時期に撒きましょう。
アガベ全般に言える事ですが、発芽率は非常に良いです。
実生エボリスピナの成長過程です↓



現地球のようになるには何年かかるのかな?
株分けに関しては、子株が生えてきたら、植え替え時に親株と離し個別の鉢に植え替えます。
あとは通常管理で育てて行きます。
もし、引き離した子株に根が無い場合はこちらの発根管理を参考にしてください↓
病気・害虫

エボリスピナはアガベ属に発祥する病気、害虫には気をつけましょう。
・病気
炭疽病、葉が黒く腐っていく病気。
カビ菌の一種で高温多湿時(梅雨の時期)、株の抗体力が弱っている場合などに発生しやすい。
発生してしまうと水やり時などに菌が広がりさらに感染を広げます。
感染後の対策としては炭疽病に感染して黒くなっている部分の切除し、その後カビ菌などに有効な殺菌剤(ベンレートなど)を株本体、用土全体に散布してください。
炭疽病は一度かかってしまうとせっかくの大事な株を深く傷つけてしまう事になるので、発生を予防することが肝心です。
「炭素病」には気を付けないとね!
予防としては、カビ菌の繁殖を抑える為に風通しの良い所に置き、乾燥気味に育てましょう。
・害虫
「カイガラムシ」や「アザミウマ」が発生することがあります。
エボリスピナは特に葉の根元にカイガラムシが付きやすいので注意が必要です。
カイガラムシは吸汁性の害虫で吸汁された植物は徐々に弱ってしまいます。
カイガラムシはスプレータイプの薬剤も効きにくいので発生してしまうと厄介な害虫です。
また、排泄物は「すす病」の原因にもなるので見つけ次第ピンセットなどで取り除きましょう。
すす病とは?
植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)が排泄物として糖を排出し、その害虫の排泄物にカビが生えた状態をすす病という。
アザミウマはアガベの新芽に潜んで、内側から葉を吸汁し傷つけていきます。
傷つけられた葉は枯れる事は無いですが、非常に見た目を損ねてしまいます。
被害がひどい場合は成長点が奇形になり開かなくなる場合があるので注意します。
対策としては、害虫が発生しやすい時期(6月か〜9月)にオルトランDXを月1回のペースで撒いたり、
同じく害虫が発生しやすい時期に「花いとし」などを散布すると害虫を防除できます。
花

他のアガベ属同様、一生に一度だけ最後に立派な花を咲かせて枯れてしまいます。
立派な花が見られるのは嬉しいけど、枯れてしまうのは少し寂しいね。
アガベ属が花を咲かすのは非常に珍しいと言われ、「センチュリープラント」とも言われています。
最後に

エボリスピナは高山性のアガベで他のアガベ属に比べて少し気難しいと言われますが、
寒さには非常に強く、冬の屋外管理でも冷害が出る事は滅多にありません。
気をつけるべきは「蒸れ」です。
日本の気候はどうしても湿度が高く蒸れやすいので、出来るだけ風通しの良い所で乾燥気味に育ててあげる事を意識しましょう。
そうする事でエボリスピナを枯らすことなく、元気に成長させてあげる事ができるでしょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!

