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【イワヒバ(岩松)の育て方】環境、水やり、用土、石付け方法など徹底解説!

日本庭園や、盆栽で人気のある植物【イワヒバ(岩松)

夏には新緑、秋には紅葉が楽しめて、更には環境によって葉を丸めたり広げたり、変化があるので育てていて楽しい植物です。

おーきっど

日本庭園に似合う植物、渋くてかっこいいな!

盆栽は日本が誇れる文化じゃよ!

ビカクシダじぃ

この記事では実際に【イワヒバ(岩松)】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!

結論、基本的な育て方はこのような感じです↓

イワヒバの育て方

イワヒバは夏の暑さにも、冬の寒さにも耐える事ができる丈夫な植物!

・夏の強い日差しには注意!葉焼けの原因となるため!

・土が乾いたら鉢底から水が出てくるまでたっぷり与える。この時に葉っぱや幹にもかけてあげましょう!

・排水性と保水性が良い酸性土を使用しましょう!(鹿沼土)

・植え替えは根詰まりを防ぐ為、酸性の土を保つために2年〜3年に一度、4月〜7月の間に行いましょう!

そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!

それではどうぞ!

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イワヒバ(岩松)詳細情報

植物名岩松(イワヒバ)
原産地日本、中国、韓国、東南アジアなど
分類シダ植物、イワヒバ科
成長適温夏型(20度~30度以上)
成長速度遅い
暑さ強い
寒さ強い(野外で冬越しが可能)
気候日当たりの良い場所を好む
用土酸性土が良い(鹿沼土など)
水やり土が乾いたら鉢底から水が出てくるまでたっぷり与える

特徴

イワヒバの特徴は、放射状に広がった小さな葉が環境によって内側に丸まったり、広がったりする所です。

成長期のイワヒバ(岩松)

水が足りている時は葉を大きく広げて、太陽光をいっぱい浴びようとしています。

水不足のイワヒバ(岩松)

水が足りていない時は葉を内側に丸めて太陽光から新芽を守ります。

ビカクシダじぃ

水を欲しがっとるようじゃの!

日本風の庭園や盆栽としても親しまれています。

また、夏には新緑、秋には紅葉と四季によっても見た目が変化するので育てていて楽しい植物です。

生育環境

アジアで広く分布しているイワヒバは山奥の空中湿度の高い岩場などに自生します。

日本の気候にも順応しているので、春や秋の穏やかな気候はもちろん夏の猛暑や、冬の厳寒(げんかん)にも耐えることの出来る強い植物です。

空中湿度が高い場所に自生しているイワヒバは湿度を好みます。

イワヒバは夏の暑さにも冬の寒さにも耐えることの出来る丈夫な植物ですので、そこまで環境を気にする事は無くても大丈夫です。

成長期には雨に当ててあげると元気に育ちます。(日本の雨はイワヒバが好む酸性で、雨には微量ではありますが有機物が含まれているためです。)

イワヒバは屋外で冬越しが可能です。

イワヒバは冬に休眠に入ると放射状に広がった葉を内側に丸めて寒さから新芽を守りながら冬を越します、

このときイワヒバは茶色く枯れたような色になりますが、休眠しているだけなので心配は要りません。

おーきっど

葉を丸めるのは新芽を守るための行動なんだね!

春になり休眠から覚めるとまた葉を放射状に開き緑色に戻ります。

日当たり

イワヒバは基本的に直射日光を当てるよりも半日陰の方が元気に育つ印象です。

強い日差しは葉焼けの原因になるので、半日陰に移すか寒冷紗(かんれいしゃ)などで遮光するなどして対策してください。

庭園などに地植えする場合は木陰に植え付けてあげると良いでしょう。

水やり

植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。

春、夏、秋

春~秋は成長期です。

成長期のイワヒバは水分を非常に好むので土が乾いてきたらたっぷり水を与えましょう。

この時に土だけでなく葉と幹にも水をかけてあげましょう。イワヒバは細い根を絡ませた幹のようなものを持っており、その幹のような所からも水分を吸収するためです。

イワヒバは水不足になると葉を内側に丸めます、それを一つの目安とするのも良いでしょう。

おーきっど

水不足のタイミングを知らせてくれるのはありがたいね!

夏など水分がすぐに蒸発してしまう場合は鉢の周りに撒き水をしてあげます、そうすることですぐに鉢内の水分が蒸発してしまう事を防げて、更に空気中にイワヒバの好む湿度を作り出すことが出来るので一石二鳥です。

冬は休眠期です。

イワヒバは放射状に広がった葉を内側に丸めて新芽を守りながら冬を越します。

この時の注意点として葉が丸まったからと言って水を欲しがっているわけではありません。

休眠期に入ったイワヒバはあまり水分を吸収しなくなるので徐々に水やり回数を減らしていきましょう。

休眠に入ったイワヒバはあまり水分を吸収しなくなるので、水をたっぷり与えて続けてしまうと、土が乾かない状態が続いてしまい根腐れの原因になるので注意が必要です。

冬の休眠期の水やりは2週間に1度くらいで、冬の時期は空気が乾燥するので葉水は多めにしてあげると元気に育つでしょう。

用土

イワヒバは排水性と保水性が良い酸性土を好むと言われています。

鹿沼土は酸性の土なので単体での使用もできますが、粒が潰れてくると排水性が無くなってくるので、硬質の赤玉土や日向土、桐生砂を混ぜて排水性を高めての使用も良いでしょう。

ビカクシダじぃ

日向土や桐生砂の共通点は、硬くて潰れにくく排水性が良いことじゃよ!

ちなみに我が家では硬質の鹿沼土を単体で使用しています。

植え替え

イワヒバの植え替えは、植え替え時の根のダメージを早く回復させるために4月〜7月の成長期に行います。

基本用土の鹿沼土は酸性の用土ですが年数が経過すると酸性が薄まってきてしまい、更に粒が潰れて排水性が無くなってきます。

また、イワヒバは根が張りやすいので、根詰まりを起こしてしまう前に植え替えを行いましょう。(鉢の大きさなどによりますが2~3年を目処に)

12月〜3月の休眠期に植え替えを行ってしまうと、根のダメージが回復できずに枯れてしまう恐れがあるので避けましょう。

石付けにする方法

ケト土1:水苔1:赤玉土2を混ぜ合わせた用土を用意した石に塗ります、その上にイワヒバをのせて更にイワヒバを固定するように用土を付けていきましょう。

ケト土は粘り気がある土で石に付着させる為、水苔は保水性とケト土が乾燥によって硬くなるのを防ぐ為、赤玉土は根付きを良くする為です。

注意!

石付けにする場合は通常の植え替えよりも根へのダメージが大きくなりやすいので、必ず成長が活発になっている時期に行ってください。

石付け作業後は根が安定するまで、日陰の湿度が高い場所で管理します。

しっかりと根が活着するまでは土を乾燥させないように小まめに水を与えてあげましょう。

肥料

イワヒバは植え替え時に元肥、成長期(春〜秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。

元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。

元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。

緩効性肥料とは?

肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。

植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。

元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春〜秋)に追肥を行いましょう。

追肥として液体肥料を与える場合は月に1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。

ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。

春の時期、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。

肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。

注意!

液肥の量を増やす場合でも必ず記載されている量以上の希釈倍数にはならないように注意しましょう。

おーきっど

液肥は薄め薄めを意識しようね!

置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。

水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。

固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。

オススメは「マグァンプK小粒」です。

追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。

また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。

メネデールとは?

植物の成長に欠かせない「」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。

肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。

増やし方

イワヒバは挿し芽(寝せ葉)で増やす事ができます。

5月〜6月頃に枝を3〜5センチほど切り取ります。

念の為ベンレート希釈水につけて殺菌します。(しなくても特に問題はありません。)

鹿沼土に寝かせます、イワヒバは葉の付け根から根が出てくるのではなく、葉先の葉裏から発根してくるので、葉裏が用土に密着するように寝かせます。

湿度を保つため、軽く固定するために寝かせたイワヒバの上に鹿沼土を軽く載せます。

光合成も行えるようにイワヒバの一部が少しだけ見えるようにしておきましょう↓

あとは高湿度を保つためにラップを被せて半日陰で管理します。

その状態で動かさないで管理していると、2ヶ月ほどで葉裏から根が出てきます。

自然界のイワヒバは胞子でも増えますが、環境がしっかり合わないと新しい芽が出てくる可能性は低いので挿し芽(寝せ葉)で増やすのが一般的です。

病気、害虫

病気

1番発生する病気がベト病です。

イワヒバがベト病になってしまう主な原因は肥料のやり過ぎです。

周りの葉から茶色くなっていき、次々と感染してしまいます。見つけたらすぐに薬剤を散布しましょう。

ベト病にはベンレート水和剤を散布します。

ベンレート水和剤とは?

簡単に言うとカビや菌類の殺菌、予防効果がある薬剤です。

詳しくは説明書を確認してください。

※イワヒバの葉は冬場や葉が古くなると茶色くなってくるので、少し分かりにくいですがきちんと判別しましょう。

害虫

また「ヨトウムシ」という蛾の幼虫が葉を侵食することもあります。

ヨトウムシの老齢幼虫5〜8センチの大きな芋虫ですが、若年幼虫は数ミリで緑色をしているので見つけるのが難しいです。

小さいですが、集団で食害していくので、見つけ次第薬剤を散布し、駆除します。

害虫予防の為に害虫が発生しやすい時期に月に一回のペースでオルトランDXを撒きましょう。

花言葉

長寿

イワヒバは長く生きることから「長寿」という花言葉がついた縁起の良い植物です。

負けない心

水が足りていない時や冬の寒さが厳しくなると葉を内側に丸めて新芽を守ろうとするため「負けない心」という花言葉も生まれました。

ビカクシダじぃ

新芽を守るために葉を丸めるとは、、、カッコイイのう!

最後に

イワヒバは、夏は新緑、秋は紅葉を楽しめて、水不足になると葉を内側に丸めたりするなど、動きや変化がある植物なので、一年中楽しむ事ができます。

更に、イワヒバは丈夫な植物なので、盆栽に興味をもった初心者の人にもおすすめです。

是非、盆栽や庭に地植えして楽しんでみてはいかがでしょうか?

最後まで読んで頂き有難うございます!

一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!

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