円柱状の多肉質な茎を持った多肉植物【ユーフォルビア・ポリゴナ】
無数の花柄が棘になって残り、刺々しい姿。
ユーフォルビア属のホリダとポリゴナは見分けるのが難しそうだね!
ポリゴナの「スノーフレーク」と言われる品種は真っ白で綺麗だよ!
この記事では実際に【ユーフォルビア・ポリゴナ】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
その他にも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それでは、どうぞ!
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【ユーフォルビア・ポリゴナ】詳細情報
植物名 | ユーフォルビア・ポリゴナ |
原産地 | 南アフリカ、東ケープ州など |
分類 | トウダイグサ科、ユーフォルビア属 |
成長適温 | 春、秋(18度~30度) |
成長速度 | 遅い |
暑さ | やや強い |
寒さ | やや強い(3度以下は△) |
気候 | 日当たり、風通しの良い場所 |
用土 | 水はけの良い用土 |
水やり | 成長期は用土がしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える |
特徴
姿形はユーフォルビアの代表角の「ホリダ」に非常に良く似ている。
通常のポリゴナの表皮は青みがかった緑色をしているが、「スノーフレーク」と言われる品種は真っ白な表皮をしている。
この棘はサボテンの棘とは違い花柄が残ったもの↓
ホリダとポリゴナは「花」で見分ける事ができます。
ホリダの花は黄色なのに対して、ポリゴナの花は紫色をしています。
ホリダとポリゴナを並べてよく観察してみたいね!
生育環境
ユーフォルビア・ポリゴナは南アフリカ、東ケープ州に自生しています。
南アフリカ、東ケープ州(ポートエリザベス)の年間平均気温は8度〜26度まで変化します↓
画像引用: © WeatherSpark.com
そのためポリゴナの成長適温は18度〜30度で日本では春、秋が成長期になります。
風通しの良い乾燥した環境を好むので、成長期は風通しの良い屋外で管理してあげましょう。
また、ポリゴナは気温と湿度の高い夏の時期(30度以上)は成長が鈍化します。
湿度が高い夏の時期に水やりを多くしてしまうと蒸れてしまいやすいので注意が必要です。
我が家のポリゴナも夏の時期に蒸れて枯れてしまいました↓
こうなってしまうと親株は助からないので子株を外して別の鉢に植え替えて根を出させてあげましょう。
冬の時期、ポリゴナの最低温度は3度と言われていますが、念のため気温が5度以下になりそうなら、屋内に取り込んであげましょう。
寒すぎると植物も凍傷になるから気を付けて!
日当たり
年間を通して日当たりの良い場所で管理します。
日当たりの良い環境で育てる為に、成長期(春〜秋)には出来るだけ屋外で管理して日光を長時間当ててあげましょう。
ですが、春〜秋は日差しが強いので20%ほど遮光するか、直射日光の当たらない明るい場所で管理してあげましょう。
冬の時期に室内管理をしている時でも、出来るだけ日当たりの良い窓辺に置いて、沢山の日光に当ててあげると耐寒性も高める事ができます。(※夜間の窓際は低温になることがあるので注意!)
また、冬の間、室内管理をしていた株をいきなり直射日光に当ててしまうと株焼けを起こしてしまう事があるので注意が必要です。
室内管理をしていた株は徐々に日当たりの良い場所に置いて、日光に慣らしていくようにしましょう。
植物は急な環境の変化が苦手だから注意してあげようね!
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
ポリゴナは乾燥には強いので年間を通して乾燥気味に育てます。
基本的には用土が中まで乾いてから、水をたっぷりと与えましょう。
春
春、気温が15度~20度を超えてくると休眠状態からあけて徐々に成長を始めます。
休眠からあけてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。
ポリゴナが動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。
成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
日々の観察が大切だね!
夏
夏は温度が高くなると(30度近く)成長が鈍化します。
成長が鈍化しているポリゴナに水やりを多くしてしまうと蒸れてしまう可能性があります。
夏の時期は、(春、秋)の時期より水やり間隔を多めに空けましょう。(用土が中まで乾いて+4~5日後に水やり)
また、気温の高い日中に水やりをしてしまうと蒸れて株が腐ってしまう事があります。
夏場は日中を避けて、気温が低くなってくる夕方頃に水やりを行いましょう。
秋
秋、気温が18度以上あるなら成長期です。
通常通り、用土がしっかり乾いてから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温が10度近くになって成長が鈍化してきたら徐々に水を与える頻度、量を減らしていきます。
冬
冬、気温が5度近くになってくると休眠状態になり成長がほぼ止まります。
休眠状態のポリゴナは水をほぼ吸収する事が出来ないので、たっぷりと水を与えてしまうと用土が乾くのに長く時間がかかってしまい最悪の場合「根腐れ」をしてしまう事があります。
冬の時期、ポリゴナは月に1回程度、株元に1日、2日で乾くくらいの軽い水やりをしましょう。
そうすることで、細根が完全に枯れてしまうのを防ぎ、春の休眠あけにスムーズに成長を開始することができます。
冬時期の水やりは少し我慢が必要だね!
用土
水はけの良い用土を使用しましょう。
我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、ゴールデン培養土、軽石、くん炭、パーライト)を混ぜた用土を使用しています。※水はけを良くするために用土は必ずフルイにかけて微塵を取り除いておきましょう。
用土作りも楽しもうね!
植え替え
ポリゴナは根の成長が遅いので2年~3年を目安に植え替えを行いましょう。
植え替えを行う際は、あらかじめ水やりを止めておき、しっかりと用土を乾燥させておきます。
植え替え時の根へのダメージを最小限に抑えるためだよ!
植え替えは出来れば春(3月後半~5月)の間に行いましょう。
本格的な成長期前に行う事で成長が鈍化する季節までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく冬越しが出来るようになるでしょう。
もし、「春」に植え替えが出来ずに「秋」に植え替えを行う場合は出来るだけ根をいじらないような植え替えを心がけましょう。
「秋」に大胆に根を整理してしまうと成長が止まってしまう「冬」までにしっかりと根を張ることが出来ず、調子を崩してしまうためです。
植え替えは植物の体力をいっぱい使うから休ませてあげる事だね!
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、僕たちの強い味方だよ!
植え替えは植物の体力を非常に使うので「冬」の休眠時の植え替えは避けましょう。
成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまうリスクがあります。
春が来てポリゴナが動き出すまで我慢しましょう。
肥料
ポリゴナは植え替え時に元肥、成長期(春〜秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春〜秋)に追肥を行いましょう。
追肥として液体肥料を与える場合は月に1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。
ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。
春の時期、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。
肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。
液肥は薄め薄めを意識しようね!
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
病気、害虫
ポリゴナは弱っていたり、風通しの悪い環境で育てていると「カイガラムシ」「ネジラミ」が発生することがあります。
カイガラムシは吸汁性の害虫で、体長は2mm~6mmほどで目視で確認することができる害虫です。
カイガラムシは繁殖力も高く、殺虫スプレーが効かない個体もいる厄介な害虫で、さらに排泄物は「すす病」の原因となるので、見つけ次第、ピンセットなどで全て取り除き、害虫予防の為に殺虫剤を散布しましょう。
すす病とは?
植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)が排泄物として糖分を排泄し、その害虫の排泄物にカビが生えた状態をすす病という。
ネジラミは土の中に生息している体長2〜3mmの綿のようなカイガラムシで、植物の根に寄生して吸汁し、植物を衰弱させます。
植え替え時に必ず根を確認して、発見した場合はまず土を洗い流して、傷んだ根を取り除きます。
その後、薬剤を散布して防除し、しっかりと根を乾燥させてから植え付けます。
ネジラミは何年も植え替えをしていないと発生しやすいみたいだから気をつけようね!
おすすめの殺虫剤は「ベニカXネクストスプレー」です。
害虫は同じ薬品ばかりを散布していると耐性を得てしまうので一つの殺虫剤を使用するのではなく、それぞれ違った殺虫剤を定期的に散布し、害虫を根絶しましょう。
害虫は一度発生してしまうとかなり厄介なので、発生する前の予防が肝心になってきます。
そのため、害虫が発生しやすい時期(5月~10月)は月に1回程度、定期的に害虫予防のスプレーを散布し、「オルトランDX」などの薬剤も活用しながら害虫予防をしておきましょう。
日々の観察で害虫が付いていないかを確認することも大事だよ!
最後に
ユーフォルビア・ポリゴナは日当たりの良い場所で乾燥気味に育てると元気に育ってくれます。
ポリゴナは成長するにつれて、縦に伸びて行きやすいですが、日照不足や水・肥料のやり過ぎで徒長させてしまわないように気をつけましょう。
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!