コーデックス・アガベ

【オトンナ・トリプリネルビアの育て方】生育環境、日当たり、水やり、用土まで徹底解説〜

滑らかな質感の表皮と紫色の葉裏が特徴的な塊根植物「オトンナ・トリプリネルビア

まん丸オベサ

触り心地が良さそうな塊根部をしているね!

紫色の葉裏が幻想的で美しい植物ですね!

チタノタちゃん

この記事では実際に【オトンナ・トリプリネルビア】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!

結論、基本的な育て方はこのような感じです↓

トリプリネルビアの育て方

成長適温は10度~25度。(春、秋、冬)

直射日光の当たらない明るい場所、風通しの良い場所で育てる。(休眠期の蒸れには特に注意!)

春、秋、冬の成長期は用土の表面が乾いてから、水をたっぷりと与える。

夏場の休眠状態のときは水をあまり必要としないので基本的に断水気味に管理する(月に数回、一日で乾く程度の軽い水やりで抑える。)

用土はある程度の水持ち、水はけの良いものを使う。(我が家は赤玉土多め、鹿沼土、ゴールデン培養土、軽石少な目、パーライトを混ぜた用土を使用)

植え替えは夏の休眠から開けた秋(10月~11月)の間に行う。

そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!

それでは、どうぞ!

\気になる項目へ飛んでね!↓/

オトンナ・トリプリネルビア詳細情報

植物名オトンナ・トリプリネルビア
原産地南アフリカ、東ケープ州など
分類キク、オトンナ
成長適温春,秋,冬(10度~25度)
成長速度遅い
暑さ弱い
寒さやや強い(5度以下は△)
気候直射日光の当たらない明るい場所、風通しの良い場所
用土ある程度の水持ちと水はけの良い用土
水やり成長期は用土が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える

特徴

滑らかな質感の塊根部

塊根からは細い枝を伸ばして、大きめの葉をつけます。

葉の裏側は紫色をしており、なんとも幻想的。

涼しい時期に成長が活発になる「冬型塊根」と言われています。

まん丸オベサ

個性的で愛らしいコーデックスだね!

トリプリネルビアは成長期に花芽を伸ばして黄色い花を咲かせます。

生育環境

トリプリネルビアの成長適温は10度~25度で日本では春、秋、冬が成長期になります。

比較的、涼しい地域に自生している植物なので暑さには弱く、日本の蒸し暑い夏の時期はトリプリネルビアにとって過酷な時期になります。

なので、トリプリネルビアは夏の時期には葉を全て落として休眠します。

チタノタちゃん

休眠は動物で言う冬眠みたいなものですよ!

夏の休眠期に蒸し暑さにさらしてしまうと蒸れて腐ってしまう事があるので、涼しくて風通しの良い屋外で管理してあげましょう。

注意!

室内で夏越をする場合は空気の動きが無く、蒸れて腐ってしまう可能性があるので必ずサーキュレーターを回すなどして、空気の流れを作ってあげましょう。

また、冬型の植物と言われるトリプリネルビアですが、他のオトンナ属よりは耐寒性が低いので気温が5度以下まで下がる場合は室内で冬越しをさせてあげましょう。

ポイント

トリプリネルビアは上手く育てると日本の気候でも(夏に)休眠させずに1年中成長させることが可能です。

夏の時期は25度を超えそうなら、風通しの良い涼しい場所で管理してあげる事で、夏の間も葉を落とさずに成長させることができます。

日当たり

トリプリネルビアは年間を通して直射日光の当たらない明るい場所で管理します。

トリプリネルビアは日光を好みますが直射日光にあててしまうと葉焼けをしてしまいます。

強烈な日光は控えて、ある程度遮光された光をあててあげましょう。

ですが、逆に光が少なすぎると枝が徒長して形が乱れたり、日光不足で塊根部分が腐ったりしてしまうので注意が必要です。

自身の環境に合わせて光を調節してあげましょう。

休眠期の夏は日光に当ててしまうと株の温度が上がり、蒸れの原因になってしまいます。

まん丸オベサ

冬型の植物は特に蒸れに弱いから注意してね!

夏の時期は半日陰の風通しの良い場所で管理してあげましょう。

水やり

植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。

トリプリネルビアは成長期には水を沢山欲しがりますが、根腐れに気を付けながら水やりをします。

成長期で葉が旺盛に茂っている場合は、用土の表面が乾いたら水やりをしましょう。

季節ごとの水やり方法↓

春、気温が10度を超えてくると成長期です。

用土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。

初夏、気温が上がってくると徐々に葉が枯れて休眠の準備に入ります。

徐々に水やり頻度、量を減らしていきます。

全ての葉が枯れたら、休眠状態になり成長が止まるので、控えめの水やりで管理をしましょう。

月に数回程度、涼しくなった夕方頃に1日で乾く程度の少量の水を与えましょう。

秋、涼しくなってくると休眠からあけて成長を始めます。

休眠から空けてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。

トリプリネルビアが動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。

成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

チタノタちゃん

日々の観察が大切ですよ!

冬、気温が5度を下回ってくると葉が枯れる事は無いですが、成長が鈍化します。

水やりの頻度を減らしましょう。

目安としては、用土の表面が乾いて+5日ほど空けてから、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

用土

ある程度の水持ちと水はけの良い用土を使用しましょう。

我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、ゴールデン培養土、軽石、くん炭、パーライト)を混ぜた用土を使用しています。

トリプリネルビアに関しては軽石少な目、赤玉土多めで少し水持ちを良くする配合にしています。

ポイント

用土の作り方に関しては環境や、株の大きさ、鉢の種類などによっても変わってきますので参考程度に!

まん丸オベサ

用土作りも楽しもうね!

用土作りが難しい方は塊根植物用の培養土があるので是非活用してみてください↓

植え替え

トリプリネルビアは根の張りが遅い植物なので2年~3年を目安に植え替えを行いましょう。

植え替えを行う際は、あらかじめ水やりを止めておき、しっかりと用土を乾燥させておきます。

チタノタちゃん

植え替え時の根へのダメージを最小限に抑えるためですよ!

植え替えはできれば「」の休眠から空けた成長期の「」に行います。

本格的な成長期前に行う事で、成長が鈍化する季節(真冬)までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく夏越、冬越しが出来るようになるでしょう。

もし、「」に植え替えが出来ずに「」に植え替えを行う場合は出来るだけ根をいじらないような植え替えを心がけましょう。

」に大胆に根を整理してしまうと成長が止まってしまう「」までにしっかりと根を張ることが出来ず、調子を崩してしまうためです。

植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。

まん丸オベサ

害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、僕たちの強い味方だよ!

植え替えはの体力を非常に使うので」や「真冬」など、成長が鈍化している時期の植え替えは避けましょう。

成長が止まっている時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまうリスクがあります。

成長期が来てトリプリネルビアが動き出すまで我慢しましょう。

増やし方

トリプリネルビアは種子から増やす方法と挿し木で増やす方法があります。

オトンナ属は冬型のコーデックスなので、種子で増やすには「低温湿潤管理」で発芽させます。

詳しくはこちらの記事で↓

挿し木で増やすには、成長期にある程度成長してる枝をカッターなどで切り離します。

切り口に「ルートン」を付けて、清潔な用土に植え込みます。

風通しの良い半日陰で管理して、水やりは植え付けて3日後に行います。

その後は用土が乾いてから水やりを繰り返します。

大体、3週間ぐらいで発根してきます。

肥料

トリプリネルビアは植え替え時に元肥、成長期(春、秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。

元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。

元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。

緩効性肥料とは?

肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。

植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。

元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春、秋)に追肥を行いましょう。

追肥として液体肥料を与える場合は月に1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。

ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。

春の時期、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。

肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。

注意!

液肥の量を増やす場合でも必ず記載されている量以上の希釈倍数にはならないように注意しましょう。

チタノタちゃん

液肥は薄め薄めを意識してあげようね!

置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。

水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。

固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。

オススメは「マグァンプK小粒」です。

追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くお勧めです。

また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。

メネデールとは?

植物の成長に欠かせない「」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。

肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。

病気、害虫

幸い我が家のトリプリネルビアに害虫が付いたことはありませんが、風通しの悪い環境で育てていると「ハダニ」や「カイガラムシ」が発生する事があるようです。

ハダニは暖かく、乾燥している環境で発生しやすい害虫で葉の養分を吸汁する非常に小さい害虫です。

ハダニの予防方法としては葉水をして乾燥するのを防いであげましょう。

カイガラムシは吸汁性の害虫で排泄物は「すす病」の原因となってしまうので、見つけ次第ピンセットなどで取り除きましょう。

すす病とは?

植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)が排泄物として糖分を排泄し、その害虫の排泄物にカビが生えた状態をすす病という。

その後は害虫予防の為にでベニカXネクストスプレーなどの殺虫剤を散布しておきましょう。

害虫は同じ薬品ばかりを散布していると耐性を得てしまうので一つの殺虫剤を使用するのではなく、それぞれ違った殺虫剤を定期的に散布し、害虫を根絶しましょう。

害虫は一度発生してしまうとかなり厄介なので、発生する前の予防が肝心になってきます。

そのため、害虫が発生しやすい時期(5月~10月)は月に1回程度、定期的に害虫予防のスプレーを散布し、「オルトランDX」などの薬剤も活用しながら害虫予防をしておきましょう。

ポイント

薬剤は用法用量を守って使用すれば、薬害が出る事はあまりありませんが、心配な方はこまめな葉水でも害虫を予防することができます。

まん丸オベサ

日々の観察で害虫が付いていないかを確認することも大事だよ!

最後に

トリプリネルビアは上手く生育環境を整えてあげれば、日本でも一年中成長させることができる育てやすい植物です。

注意すべきはやはり、蒸し暑い夏の時期です。

夏場は蒸れる事の無いように特に風通しの良い場所で管理して、水やりも控えめにすれば日本の厳しい夏も乗り越えられると思います。

冬は大抵の植物が成長を止めてしまう寂しい季節ですが、冬に成長してくれるトリプリネルビアがいれば冬の間も植物の成長を楽しむ事が出来るのでおすすめです。(笑)

皆さんも是非、気になった冬型の植物がいれば迎えてみてはいかがでしょうか?

最後まで読んで頂き有難うございます!

一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!

-コーデックス・アガベ