丸い形が特徴的な植物【ユーフォルビア・オベサ】
同じユーフォルビア・オベサであっても個体によって様々な形や色、味わいがあり、非常に人気の植物です。
僕の出番だね!
オベサを何個も集めている愛好家も多いみたいだね!
この記事では実際に【ユーフォルビア・オベサ】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それでは、どうぞ!
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ユーフォルビア・オベサ詳細情報
植物名 | ユーフォルビア・オベサ |
原産地 | 南アフリカ、東ケープ州 |
分類 | トウダイグサ科、ユーフォルビア属 |
成長適温 | 春、秋(20度~30度) |
成長速度 | 遅い |
暑さ | やや強い |
寒さ | やや強い(5度以下は△) |
気候 | 日当たり、風通しの良い場所を好む |
用土 | 水はけの良い用土 |
水やり | 成長期には土が乾いたら鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える。 基本的に水やりの頻度は控えめに行う。 |
特徴
丸いフォルムにシマシマ模様が特徴の植物、数あるユーフォルビア属の代表格とも言われている。
ユーフォルビア・オベサは成長すると縦長になる特徴があります。
少し背が伸びてるね!
また、個体が大きくなるにつれて株の表面が茶色く変化する「木質化」という現象が見られます。
「木質化」したオベサは味わいが増して更にカッコよくなります。(←好みによりますね、笑)
生育環境
南アフリカ・東ケープ州の半砂漠地帯に自生しています。
画像引用: © WeatherSpark.com
東ケープ州(ポートエリザベス)周辺の気候は、年間を通して、8度〜26度まで変化します。
年間を通してあまり雨は降らず、乾燥する地帯です。
このことからオベサは乾燥、高温に強く、寒さにも耐性があるようです。
オベサの成長適温は20度~30度なので日本で言うと春、秋が成長期になります。
真夏の蒸し暑い時期(35度近く)は半休眠状態になり成長が鈍化します。
夏の時期は出来るだけ風通しの良い場所で、蒸れる事の無いように管理してあげましょう。
室内で管理する場合は必ずサーキュレーターを使って空気の流れを作ってあげようね!
冬の時期、オベサは寒さにも強く5度近くまで耐える事が出来ますが、冬場は気温が8度以下になるようなら屋内へ取り込んであげましょう。
日当たり
年間を通して日当たりの良い場所で管理しましょう。
日光不足は「徒長」の原因になってしまうので、出来るだけ丸い形を保ちたいのであれば年間を通して、日当たりの良い場所で育ててあげましょう。
徒長とは?
植物の茎や枝が必要以上に伸びる事をいいます。
西日や夏場の直射日光は「株焼け」の原因になってしまうので注意が必要です。
株焼けをしてしまうと株の表面が茶色く変色し、その部分からは光合成が出来なくなってしまいます。
株焼けが原因で枯れる事はあまりないですが、成長点が株焼けにより機能しなくなってしまうと最悪枯れてしまう恐れがあります。
株焼けを防ぐ方法としては、夏の時期は遮光する、西日が当たらない場所で管理する、屋内から屋外管理に切り替える際も徐々に日光に慣らすように置き場所を工夫してあげましょう。
オベサは年間を通して日当たりの良い場所を好むので、どうしても室内管理になってしまう人は育成ライトを活用しましょう。
育成ライトがあれば、日照時間が短い冬の時期も「徒長」や「日照不足」になることなく乗り切ることができます。
我が家で使用しているパネルライトです↓
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
ユーフォルビア・オベサの自生地は半砂漠地帯で年間を通して降水量は少ないです。
オベサは水切れには強いので年間を通して乾燥気味、水やりは控えめで育てます。
基本的には用土が中まで乾いて+1~2日後、たっぷりと水やりを行いましょう。
春
春、気温が20度を超えてくると休眠状態からあけて徐々に成長を始めます。
成長を始めてすぐは、まだ水を十分に吸えないので少な目の水やりから開始します。
徐々に気温が上がって、オベサの成長が活発になってきたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
成長期の水やりの目安としては、用土が中まで乾いて+1~2ほどあけてから、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
メリハリをつけた水やりが元気に育てるコツだよ!
夏
夏も成長期ですが、気温が35度近くになってくるとオベサは半休眠状態になり、成長が鈍化します。
そのため、真夏の時期の水やりは回数は控えめ、乾燥気味で管理します。
用土が中まで乾いてから+3日~4日ほどあけてたっぷりと水を与えましょう。
水やりは、気温の高い日中に水やりをしてしまうと日光に当たった鉢内部が高温となり、蒸れて根腐れの原因になる事があります。
根っこがのぼせちゃうよ
日中を避けて、気温が低くなる夕方頃に行います。
水を与えた場合も積極的に風を当てて蒸れる事の無いように注意しましょう。
秋
秋、気温が20度以上あるなら成長期です。
用土が中まで乾いて+1~2日ほどあけてから、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温が低くなってくると徐々に成長が鈍化してきます。
成長が緩やかになってくるにつれて、徐々に水やりの回数と頻度を減らしていきましょう。
冬の休眠に入る準備をしていこうね!
冬
冬は気温が10度以下になってくると休眠状態になり、成長が止まります。
冬場、休眠状態になり成長が止まった株はあまり水を必要としないので「断水気味」で管理します。
月に1回程度、株元が濡れる程度の軽い水やりをしましょう。
そうすることで細根が完全に枯れてしまうのを防ぎ、春の休眠開けがスムーズになります。
オベサの水やりポイント(自生地の雨量について)
画像引用: © WeatherSpark.com
オベサの自生地は南アフリカの東ケープ州(ポートエリザベス)でその周辺区域での平均月間降量は表の通りです↓
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
132㎜ | 130㎜ | 187㎜ | 152㎜ | 84㎜ | 49㎜ |
22㎜ | 24㎜ | 24㎜ | 38㎜ | 44㎜ | 28㎜ |
ポート・エリザベスで1番降雨量が少ない月は5月の17㎜で、1番降雨量が多い月でも44㎜なので、日本の降雨量よりはるかに少ないです。
この事からもある程度の乾燥、水切れには強いことが分かります。
自生地の環境を知ることはすっごく大事だよ!
用土
水はけの良い用土を使用しましょう。
我が家の場合は(赤玉土、鹿沼土、ゴールデン培養土(ペレットのみ)、軽石、パーライト)を混ぜた用土を使用しています。
※水はけを良くするために必ず用土はフルイにかけて微塵を取り除いておきましょう。
用土作りも楽しもうね!
植え替え
ユーフォルビア・オベサは根の張りが比較的遅い植物なので、2年~3年を目安に植え替えを行いましょう。
植え替えを行う際はあらかじめ水やりをやめておき、しっかりと土を乾燥させておきます。
植え替え時のダメージを最小限に抑えるためだね!
植え替えは出来れば本格的な成長期前の春(3月後半~5月)の間に行います。
本格的な成長期前に植え替えを行う事で、成長が鈍化する季節までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく夏越、冬越しが出来るようになります。
もし、「春」に植え替えが出来ずに「秋」に植え替えを行う場合は出来るだけ根をいじらないような植え替えを心がけましょう。
「秋」に大胆に根を整理してしまうと「冬」までにしっかりと根を張ることが出来ずに調子を崩してしまうためです。
植え替えを行う際は害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
植え替えは植物の体力を非常に使うので「冬」の成長が鈍化している時期の植え替えは避けましょう。
成長が鈍化している時期に植え替えを行ってしまうと、植え替え時のダメージが回復できずに弱ってしまい、最悪の場合枯れてしまうリスクがあります。
春が来てオベサが動き出すまで我慢しましょう。
肥料
オベサは植え替え時に元肥、成長期(春、秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春、秋)に追肥を行いましょう。
基本的に肥料をあまり必要としないオベサは液体肥料ではなく、じっくりと効果があらわれる置き肥(固形肥料)がおすすめです。
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
固形肥料を与える時も少な目を意識しようね!
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
増やし方
種まき、株分けで増やすことが可能です。
種まき
オベサを受粉させるにはオベサ雄とオベサ雌が必要です。
(オベサ雌の開花、めしべの様子↓)
大抵は春、秋の時期に花を咲かせるので、開花時期が重なったオベサ雄の花粉をオベサ雌のめしべにつけます。
ちなみに、オベサ同士でなくても似たようなユーフォルビア属の雄・雌が揃えば交配することができて、うまくいけば種ができます。
オベサ雌×バリダ雄の交配が成功↑
交配が成功すると1週間~2週間でめしべが大きく膨らみますが、種が成熟するまでには1か月程度の時間がかかります。
完熟してから放置すると種がはじけてどこかに跳んで行ってしまうので、ネットを被せるか完熟したタイミングで果実ごと収穫して種を収穫しましょう。
種を撒く時期は春~秋の気温が20度以上ある時ならいつでも発芽させることが可能です。が、
できれば春に撒いて発芽させて、冬までにしっかりと根を伸ばして体力をつけてあげるのが理想です。
種まきの手順↓
種まき用の培養土か、バーミキュライトの上に種を並べて水をたっぷりとあげる。
好光成種子とは?
発芽に光が必要な種子です。
発芽するまでは特に用土が乾かないように湿った状態を保つ。
大体10日くらいで発芽が始まります。
発芽後すぐも水切れには弱いので用土が湿った状態を保つ。
ある程度育ったら(5ヶ月くらい)植え替えて通常通りの管理ができます。
冬が近い場合は来年の春に植え替えをしてあげようね!
株分け
オベサは稀に子を付ける仔吹きオベサ(オベサブロウ)という品種があり、子株が付いたオベサは株分けが可能です。
株分けの適期は4月上旬~9月です。
出来るだけ早い時期にした方がいっぱい根を張る事が出来て冬越しが楽になるよ!
やり方としては、親株から子株を外して用土に植え付けます。
その後は水を与えず、明るい日陰で1週間ほど管理する。
1週間ほど経てば日光の当たる置き場所に戻して、通常通り水やりをします。
早ければ2~3週間ほどで根が張ってくるのでこれで完了です。
こちらの記事で詳しく解説しています↓
実際の手順を写真多めで解説しています。是非、ご覧ください!
病気、害虫
オベサは風通しの悪い場所で管理していると稀に「カイガラムシ」が付くことがあるようです。
「カイガラムシ」は吸汁性の害虫で排泄物は「すす病」の原因となってしまうので見つけ次第ピンセットなどで取り除きましょう。
取り除いた後は害虫予防の「ベニカXネクストスプレー」を吹きかけておくと更に安心です。
害虫は駆除をするのが大変だから、発生する前の予防が肝心だよ!
花、受粉方法
オベサは雌雄異株でオス株なのかメス株なのかは、花が咲かないと分かりません。
雌雄異株(しゆういしゅ)とは?
雄花を付けるオス株と雌花をつけるメス株がある種類を雌雄異株という。
雄花には多くの黄色い花粉がついて、雌花は少し粘着力のあるめしべがむき出しの状態でつきます。
オベサはオス株とメス株の開花のタイミングが被ることで受粉することができます。
やり方としては綿棒などで雄株の花粉をとり、めしべにつける事で受粉が完了します。
種の出来る確率は非常に高いので皆さんも是非挑戦してみてください。
自家受粉を成功させて実生も楽しんでみようね!
最後に
ユーフォルビア・オベサは病害虫、水切れに強く育てやすい植物です。
夏場の蒸れや、過度な水やりを避ければ枯れることなく成長してくれます。
また、日光不足にならないように気をつける事が出来れば、綺麗でまん丸なオベサを育てる事が出来るでしょう。
皆さんも是非可愛いフォルムのオベサを迎えて育ててみてください。
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!