グラキリスの発根管理って難しそう
一緒に頑張ろうね!
グラキリスの発根管理は鮮度が大事、温度が大事、湿度が大事、色々と言われています。
他の方たちの発根管理を調べるたびに、1週間で発根、1か月で発根、2か月で発根など、の投稿を見ますがその度に我が家のグラキリスが気になって仕方がないですよね!
我が家の初のグラキリス発根管理は7か月の長い戦いの末、無事発根に至りました。
同じようにグラキリスの発根管理に手こずっている方々に少しでも希望をもって頂けたらと思います。
初のグラキリス発根管理で土壌栽培~水耕栽培まで全て経験した私がグラキリスのベアルート株の発根まで(2022年6月〜2023年1月)7か月を全て書いて行きます!
それではどうぞ!
\結果だけを知りたい方はまとめへGO!/
グラキリスベアルート株の状態
6月に迎えたグラキリス、触った感触はカチカチでハリがあり、持ってみるとずっしりとしています。
グラキリスのベアルート株を選ぶ際の注意点としては
上記のような株に関しては選ばない方が無難です。(あてはまる株が発根しないわけではありません)
気になるのは枝の傷から赤い樹液が出ているのと、ボディの軽い傷、短い主根です。
グラキリスのベアルート株の根の辺りに付いている白いものは(硫黄)で根を切られた後の殺菌処理として現地で塗られています。
早速根付近についている(硫黄)を水で洗い流します。
その後、株元を観察してみると根らしきものが出ています!
「これは良い株をゲットした!暖かくもなってくる時期だし、発根管理が簡単に出来そうだ!」そう思いました。
グラキリス発根管理6月~10月(苦戦編)
グラキリスベアルート株の下準備
ですが、油断は禁物です。まずはベニカxファインスプレーで株自体を殺菌、消毒しました。
主根を切ろうかと思いましたが、主根がかなり短いのとせっかく根らしきものが出てきているのでそのままの状態でオキシベロン(40倍希釈水)に根の部分を8時間ほどつけました。
オキシベロンとは?
定番のホルモン剤タイプの発根促進剤です。
水に希釈して使用するので、希釈倍数に注意が必要。
そして、軽く乾かし次に発根促進剤ルートンを根の付近に軽くつけます。
ルートンは粉状の発根促進剤だよ!
つけすぎるとカビの発生の原因にもなるから注意してね!
これで下準備は完了です!
鉢、用土の準備
発根管理用の用土は無菌のものならなんでも良いと思います、私は鉢底から「軽石→ゴールデン培養土→赤玉土(大)→赤玉土(小)」を使いました。
鉢は黒プラ鉢が温度が上がりやすく発根管理に向いていると言うことは聞いていましたが、根らしきものが出ていたのとこれから夏のシーズンだったので大丈夫だろうと、お気に入りの陶器鉢に植え込みました。
後は麻縄で動かないように固定して完成です!
雰囲気はいい感じだね!
水やり
グラキリスへの水やりは植え込み5日後に行います。理由としては、ルートンをしっかりと効かせるためです。
5日後、グラキリスに塗ったルートンを流すイメージで水をたっぷりと与えました。
その後、念のためカビ予防の殺菌剤、ベンレート水溶液を与えます。
その後は、土がしっかりと乾いてから水やりの繰り返しです。
環境
7月になり気温としては最高が28度、最低が22度、グラキリスが成長するのに最適な温度です。
僕の時期が来たね!
日当たりを照度計で見てみると6万ルクスと表示されていました。
グラキリスは太陽光が大好きな植物なので、気温が高い季節は出来るだけ室外で太陽光に当ててあげましょう。
照度計があれば日光が足りているか、強すぎるかを一目で確認することができます。
変化
7月後半、1つの枝から葉っぱが出てきました。
8月になると全ての枝の葉が生え揃い、完全に発根しているだろうと安心しきっていました!
1回目の確認
その後、8月15日一度グラキリスを抜いて根の状態を確認することにしました。
確認してみると全く根が動いた気配が無い、カラカラに乾燥しきっていました。
考えられる原因としては
以上の事を踏まえて、次は黒プラ鉢に変更して様子を見る事にしました!
どんどん考えてやり方を変えていこうね!
黒プラ鉢
黒いプラ鉢の良い所は
8月31日、室外気温(最高32度、最低25度)
照度計で日当たりをみると
なんと8万ルクス!まだまだ季節としてはいけそうです。
根は出ていないのに、葉はどんどん伸びてくる。
元気そうで良い事だが、葉っぱは蒸散作用があり、株内の水分がどんどん外に出ていってしまい、株自体の体力が無くなってしまう事があります。
蒸散作用とは?
植物中の水分が水蒸気となって植物体の表面から大気中に放出される現象。
主に葉の裏側にある気孔を通じて行われる。
葉の蒸散作用を抑える方法はズバリ葉を切るという事!
葉を切ってしまえば、もちろん葉から蒸散する事ができなくなり、株の体力を保つ事ができます。
可哀そうだけど、これもグラキリスのためだよ!
葉を切ってしまうと光合成出来なくなるのでは?と思うかも知れませんが、グラキリスは葉だけじゃなく、表皮下の葉緑素で光合成を行う事が出来るようです。
黒いプラ鉢に変えて2か月後
10月19日、室外気温(最高23度、最低12度)
夏が終わって、秋になってしまった。
寒くなる前に根が出て来て欲しい。
そう願いつつ発根確認をする。
2か月前と変わらず何の変化も無し、
なかなか厳しいね!
これは1度リセットして、やり方を変える方が良いと判断。
水耕栽培をしなかった理由は
水耕栽培で発根した、根っこは土壌では役に立たないという情報を聞いたからでした。
ですが、もうそんな事は言ってられません。
やれる事は全てやります。
グラキリス発根管理10月~翌年1月(成功編)
新たな情報によると、水耕栽培を短期間でもやる事で、発根スイッチを入れる事が出来ると言っている方がいましたので水耕栽培を決行!
挑戦あるのみだよ!
短い根の部分を新鮮な部分が出てくるまでハサミ、カッターでカット、根がほぼ無くなってしまいました。
これ以上はほぼ胴切りになってしまうのでこれで止めます。
切った部分軽く乾かしてルートンとベンレートを混ぜ合わせた粉を切り口につけて、2日ほど乾かします。
水耕栽培の準備
まず、100金でフタ付きの透明なカップを用意しました。
フタに円の切り込みを入れて、グラキリスを固定します。
これで、いつでも根の状態が確認できます。
さらに、プラ容器の中部に切り込みを入れて風が通るように工夫をしました。
あとは水の温度が下がりすぎないように保温シートを巻きつけました!
これで準備は万端です!
いざ水耕栽培の開始!
水耕栽培環境
現在は10月22日、室外気温(最高20度、最低が10度)です。
水耕栽培の環境としては、秋になり気温が上がらなくなって来たので、育苗ヒートマットを引いて、育生ライトを6時〜18時までつけて、サーキュレーターを回していました。
私が発根管理時に常時使用していた育苗ヒートマットと育成ライトはこちらです↓
ライトをつけている時の温度は27度〜30度
ライトをつけていない時間は24度まで下がります。
水は菌の繁殖を防ぐために、万全を期して毎日変えます。
水変え時の注意点としては冬だったので冷た過ぎる水にはさらさないように、人肌より少し冷たいくらいの水の温度にしてから変えていました。
冷たすぎる水はNGだよ!
そして、3日ごとに写真を撮って変化を見ていきます。
10月25日
当然変化は無し
10月28日
根かグラキリスの繊維なのか分からないものが出現。
10月31日
これといった変化は無し
11月3日
根っぽい所が伸びている気配も無し
11月6日
変化無し、グラキリスも傷んではおらずパツパツのまま、
水耕栽培から2週間が過ぎましたが目立った変化はありませんでした。
ですが、これで発根スイッチが入った事を願って土壌に移行します!
土壌栽培に移行
毎度の事ながら、グラキリスが発根しているか気になって仕方がない私は、グラキリスを抜かずとも発根を確認する事が出来る「透明プラ鉢」を使う事にしました!
とは言っても透明プラ鉢をこのためだけに購入するのは気が引けるので、100均でプラスチックの容器を買って来ます。
そして、カッターで容器の底をカッターで切り抜き、鉢底ネットを敷いて完成!
手作り透明プラ鉢(保温シート付き)です(笑)
大発明だね!
使用する用土としては、我が家で使っている配合用土を使用(赤玉土、鹿沼土、ゴールデン培養土、軽石、パーライトを混ぜ合わせたもの)
用土作りが難しい方は塊根植物用の培養土があるので是非活用してみてください↓
効果があるかは分かりませんが一応マグァンプkも投入。(発根しないと意味は無いです笑)
マグァンプKとは?
用土に混ぜるタイプの緩効性肥料。ゆっくりと長く肥料効果が持続して植物の成長を助けてくれます。
水はけ抜群の用土、鉢が完成!
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水を与えて、最後にメネデール希釈水を与えます。
メネデールは僕たちの活力剤のようなものだよ!
土壌栽培環境
環境は水耕栽培の時と同様、育苗シートを常時稼働、育成ライトと小型の扇風機は7時〜18時までの11時間使用していました。
朝は22〜23度まで下がり、ライトを使用している日中は30〜33度くらいまで上がります。
用土は4日程でほぼ乾き、5日で完全に乾きました。
その次の日に鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
我が家の水やり頻度としては6日に1回程度でした。
もちろん、環境によって用土が乾く日数は変わって来ますので、用土が完全に乾いてから+1日で水やりをすると良いと思います。
透明な鉢なら用土がしっかりと乾いているか分かりやすいね!
そんな環境で管理して1ヶ月、12月7日まだ何も変化は無し
透明のプラ鉢に変えてから、一目で発根しているかどうかが分かるので心が安定している笑
発根管理に心の安定は必須だよ!
たまには直射日光に当ててあげたりしながら、
株もカチカチなのでまだまだ体力はあるみたい。
土壌移行から2ヶ月後(1月7日)何にも期待せず、いつも通り水を与えていると、、、
え、発根してる?
少し見ない間に根が張っていました。
期待していなかっただけに嬉しいサプライズ!
苦戦しただけ、嬉しさが倍増するね!
すぐにお気に入りの鉢に植え替えしたい気持ちを抑えて、同様の管理で春まで過ごします。
以上、我が家のグラキリス発根管理、思考錯誤の7ヶ月をお送りしました。
おまけ
発根からさらに一か月後の2月10日↓
新芽が生えてきたり、見た目の変化などは無いですが↓
根の成長が凄まじいです。(笑)
すごい生命力だね!
長い発根管理の末(悪かった点・良かった点)
長く不安な日が続きましたが、この7か月を通してたくさん学んだ事もありました。
グラキリスの発根管理で(悪かった点・良かった点)はこの通りです。
悪かった点
・主根カットしなかった事で新根が生えづらかったか。
・夏の成長期だからと油断していた。
・夏の時期にも関わらず、水やりが少な過ぎた。
・葉が生えてきているからと安心してしまっていた。
・葉水をほぼしなかった。(湿度が足らなかったか)
・発根しているか、気になり過ぎた。(鉢から抜きすぎた)
良かった点
・鮮度の良い株を選ぶ事ができた。
・様々な管理方法を試した。
・透明プラ鉢を使った。
・育成ライト、育苗ライト、サーキュレーターを使用した。
・育成ライトで日中と夜をハッキリさせた。
・10度近くの温度の高低をつけた。
少しでも皆さんの気づきになることはあったでしょうか?
まとめ
この経験を通して次に私がグラキリスの発根管理をする場合↓
鮮度の良い株を選ぶ(実際にベアルート株を直で見て触れる店舗での購入をおススメします。)
硫黄を水で流して、念の為全体を殺菌。
新鮮な部分が見えるまで主根をカットする。
オキシベロン(40倍希釈)に8時間ほど浸けた後、軽く乾かしてルートンを付ける。
一目で発根しているか分かるために透明プラ鉢を使用して、土壌管理にて2ヶ月ほど様子を見る。
環境としては、育成ライト、育苗シート、サーキュレーターを使用して、日中と夜を認識させて温度差をつける。(日中は30度〜35度まで上げて、夜中は20度〜23度まで下げる。)
2日に1回ほどの葉水をする。
水やり頻度は4〜5日目で用土を完全に乾かして、6日目くらいで水を与えます。
その繰り返しです。
もし、2ヶ月を過ぎても根が出る兆しがない場合は、一度根をカットしてリセットした後、もう一度同じようにオキシベロン・ルートンを付けて、水耕管理を2週間ほどして発根スイッチを入れてあげましょう。(効果は定かではありませんが、我が家では水耕をしたのち発根しましたので、多少なりとも何らかの効果はあったのだと思っています。)
水耕管理時の水も出来れば毎日交換してあげましょう。
水耕管理の環境も土壌管理と同じです。
土壌管理と同様に育苗ヒートマット、育成ライト、サーキュレーターを使用してグラキリスにとって心地の良い環境を作ってあげましょう。
2週間ほど水耕管理をしたのち、根が出ていてもいなくても、土壌管理に移行します。
そして、同様の管理を続けていると2ヶ月程で根が出てくると思います。
最後に
いかがでしたでしょうか?
初のグラキリス発根管理は順調には行かなかったものの、試行錯誤の末無事発根させる事ができました。
発根管理をやってみた結果、
大事なのはやはり、鮮度、温度差、湿度、日中と夜をハッキリ認識させることだと思います。
発根管理中の皆さんは心配かも知れませんが、グラキリスは思っているより強い植物です。
やれる事をやった後は発根してくれるまで気長に待ちましょう。
皆さんの発根管理が上手くいく事を願っています。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
一緒にボタニカルライフを楽しみましょう。