様々なパキポディウム 属の交配から作り出されたとされる【パキポディウム・エブレネウム】
日本では「恵比寿大黒」という和名で親しまれている。
個性的な株姿が目を惹きますね!
現地球と実生株ではまた違った魅力があるよ!
この記事では実際に【パキポディウム・エブレネウム】を育てている私が体験談を踏まえながら育て方を解説していきます!
結論、基本的な育て方はこのような感じです↓
そのほかにも【肥料、病害虫】なども含めて詳しく解説していきます!
それでは、どうぞ!
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【パキポディウム・エブレネウム】詳細情報
植物名 | パキポディウム・エブレネウム(恵比寿大黒) |
原産地 | 種間交配種 |
分類 | キョウチクトウ科、パキポディウム属 |
成長適温 | 春~秋(20度~35度) |
成長速度 | 普通~遅い |
暑さ | 強い |
寒さ | 弱い(10度以下は△) |
気候 | 日当たり、風通しの良い場所 |
用土 | 水はけの良い用土 |
水やり | 成長期は用土がしっかり乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与える |
特徴
エブレネウムの株の質感はすべすべしており、成長点付近には棘を多くつけます。
成長するにつれて成長点が分岐して、独特な形に成長していきます。
成長期には鮮やかな緑の葉を旺盛に付けて、生命力を感じさせられます。
エブレネウムは様々なパキポディウム の交配種なので、丸く成長したり、背が伸びたり、分枝が多くなったり、一株ごとに姿が変わってきます。
株によって特徴が変わるのは面白いね!
生育環境
エブレネウムの成長適温は20度~35度で、日本では(春〜秋)にかけてが成長期です。
日本の真夏でもグングン成長するエブレネウムは非常に育てやすいですが、蒸し暑い夏の時期は蒸れに注意する必要があります。
夏の時期は蒸れないようにできるだけ風通しの良い場所で育ててあげましょう。
冬の時期、エブレネウムが落葉したら屋内に取り込んで、出来るだけ10度以下にならないように管理してあげましょう。(落葉しなくても気温が5度以下になりそうなら屋内に避難させます。)
冬の時期、家の中でも5度以下になってしまいそうなら、こちらのヒートマットがオススメです↓
日当たり
年間を通して日当たりの良い場所で管理します。
日当たりの良い環境で育てる為に、成長期(春〜秋)には出来るだけ屋外で管理して直射日光を沢山当ててあげましょう。
太陽をいっぱい当ててあげると徒長させずに丸く育てる事ができるよ!
エブレネウムは日光が大好きなので夏の時期でも葉焼けする事はあまりないですが、もし葉焼けの症状が出た場合はもう少し遮光してあげるか、明るい日陰に移動させてあげましょう。
また、冬の時期に室内管理をしている時でも、出来るだけ日当たりの良い窓辺に置いて、沢山の日光に当ててあげると耐寒性も高める事ができます。(※夜間の窓際は低温になることがあるので注意!)
エブレネウムは落葉後も表皮から光合成ができるんだよ!
エブレネウムは年間を通して日当たりの良い場所を好むので、どうしても室内管理になってしまう人は育成ライトを活用しましょう。
育成ライトがあれば、日照時間が短い冬の時期も「徒長」や「日照不足」で弱ってしまうことなく乗り切ることができます。
水やり
植物の水やりに正解は無いのであくまで参考程度に読んで頂き、自分の植物の環境にあった水やりを見つけて頂きますようお願いします。
エブレネウムは乾燥には強いので、根腐れに気を付けながら乾燥気味に育てます。
基本的には用土がしっかりと乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
春
春、気温が15度~20度を超えてくると休眠からあけて徐々に葉が生えてきます。
休眠からあけてすぐはまだ水を吸う力も弱いので、少な目の水やりから開始します。
エブレネウムが動き出して来たら成長に合わせて徐々に水の量を増やしていきましょう。
葉が芽吹き出して、成長が活発になってきたら鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
夏
夏、エブレネウムが1番成長する時期です。
用土が乾いたら鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
葉が生え揃っていると、蒸散が活発に行われるので、用土の乾きが早くなります。
蒸散とは?
主に植物の葉の気孔から植物の体内にある水分が水蒸気になって外に出る事。
過度な水切れに注意して、水やりを行いましょう。
日々の観察で水やりの量、回数を調節していこうね!
水が不足して、塊根部が凹んでいるエブレネウム(実生)↓
水を与えると数時間で塊根部が膨らみ、元どおりになります↓
塊根部が凹んできても直ちに枯れてしまう事はないので、水やりのタイミングが分からない方は一つの目安にしても良いでしょう。
秋
秋、気温が20度以上あるなら成長期です。
通常通り、用土がしっかり乾いてから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。
気温が15度を下回ってくると、徐々に葉が紅葉を始めて休眠の準備に入ります。
落葉し出したら、徐々に水を与える頻度、量を減らしていきましょう。
冬
冬、エブレネウムが完全に落葉すると休眠状態になり成長が止まります。
休眠状態は動物で言う冬眠みたいなものだよ!
完全に落葉すると、水分が株内から出ていくことがあまり無くなるので、水やりの必要がほぼなくなります。
休眠した株に関しては月に1回〜2回程度の軽い水やりで冬越しをさせましょう。
そうする事で、細根が完全に枯れるのを防ぎ、春の休眠あけがスムーズになります。
用土
エブレネウムは水はけの良い用土を使用しましょう。
さらに、用土が乾きやすいように鉢は少し小さめがオススメです。
我が家の用土は(赤玉土、鹿沼土、ゴールデン培養土、軽石、くん炭、パーライト)を混ぜた用土を使用しています。※水はけを良くするために用土は必ずフルイにかけて微塵を取り除いておきましょう。
配合用土も色々と試行錯誤出来そうですね!
用土作りが難しい方は塊根植物用の培養土があるので是非活用してみてください↓
植え替え
エブレネウムはある程度鉢内で根がしっかりと張った方が元気に育つので出来れば2年~3年を目安に植え替えを行いましょう。
植え替えは春(3月後半~5月)の間に行います。
本格的な成長期前に行う事で冬の休眠期までにしっかりと根を張ることが出来て、調子を崩すことなく冬越しが出来るようになるでしょう。
植え替えを行う際は、あらかじめ水やりを止めておき、しっかりと用土を乾燥させておきます。
植え替え時の根へのダメージを最小限に抑えるためだよ!
エブレネウムの根っこは脆くちぎれやすいので植え替えは慎重に行いましょう。(この時に茶色く枯れてしまっている根は取ってしまって大丈夫です。)
植え替えを行う際は用土の中に害虫予防の「オルトランDX」と緩効性肥料の「マグァンプK」を入れておきましょう。
害虫予防の「オルトランDX」と肥料の「マグァンプK」は用土に混ぜて使える、私たちの強い味方ですよ!
鉢内に隙間が出来ないようにしっかりと用土を入れていきます。
植え替え完了後もすぐに水やりはせずに、2~3日慣らします。(根の切り口から菌が入るのを防ぐ為)
その後、水やりが必要なら鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。(この時に、まだ葉が出てきていない場合は水やりをしなくても大丈夫です。)
春が来てエブレネウムが動き出すまで我慢しましょう。
肥料
エブレネウムは植え替え時に元肥、成長期(春〜秋)に追肥を与えるとさらに元気に成長してくれます。
元肥は植え替え後の根の初期生育を助ける肥料です。
元肥は虫のわかない、肥料焼けのしにくい、「マグァンプK」などの緩効性肥料がオススメです。
緩効性肥料とは?
肥料の溶け方を遅くしたもので、植物の成長に合わせてゆっくりと土に溶けだす肥料。
植物が肥料を欲しい時に必要なだけ肥料成分を与える事が出来るので、肥料焼けを起こしにくいのも特徴です。
元肥だけでも成長させることは出来ますが、もっと成長させたい方は成長期(春〜秋)に追肥を行いましょう。
追肥として液体肥料を与える場合は月に1回~2回程度、規定より薄めた液肥を与えましょう。オススメは(ハイポネックス)です。
ですが、液体肥料を多く与える事によって起こる肥料焼けや肥料過多には注意が必要です。
春の時期、最初に液肥を与える場合は記載の分量の半分で希釈して与えてあげるのがオススメです。
肥料が上手く吸えて、成長が活発になっていることが確認出来次第、徐々に液肥の量を増やしてあげると良いでしょう。
液肥は薄め薄めを意識しましょうね!
置き肥を与える場合は、成長期に用土の上に置くだけです。
水やりのたびに緩効性の固形肥料が少しずつ溶け出して肥料成分がゆっくりと効いてくるのが特徴です。
固形肥料(置き肥)の注意点としては固形肥料が直接、株や根に触れないように注意しましょう。
オススメは「マグァンプK小粒」です。
追肥のマグァンプK小粒に関しては用土の表面に一定量ばらまくだけで良いので、使い勝手も良くオススメです。
また、肥料を与えられない場面(植え替え後や植物が弱っている時)では、活力剤のメネデールなどを活用しましょう。
メネデールとは?
植物の成長に欠かせない「鉄」を根から吸収されやすい「イオン」の形で含む活力剤で、植物用のサプリメントのようなものです。
肥料には入っている「窒素、リン酸、カリ」がメネデールには入っていないため、肥料過多などの心配が無い事も特徴。
病気、害虫
エブレネウムは弱っていたり、風通しの悪い環境で育てていると「ハダニ」や「カイガラムシ」が発生する事があります。
ハダニは暖かく、乾燥している環境で発生しやすい害虫で葉の養分を吸汁する非常に小さい害虫です。
ハダニの予防方法としては葉水をして乾燥するのを防いであげましょう。
カイガラムシは吸汁性の害虫で、スプレータイプの薬剤が効かない個体もいる厄介な害虫です。
また、排泄物は「すす病」の原因となってしまうので、見つけ次第ピンセットなどで取り除きましょう。
すす病とは?
植物の汁を吸う害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)が排泄物として糖分を排泄し、その害虫の排泄物にカビが生えた状態をすす病という。
害虫予防としては植え替えの際にオルトランDXを用土に混ぜ込んで、害虫が発生しやすい時期(5月~9月)に月に1回のペースでベニカXネクストスプレーを吹きかけましょう。
日々の観察で害虫が付いていないかを確認することも大事だよ!
最後に
パキポディウム・エブレネウムはパキポディウム 属の中でも育てやすい品種です。
エブレネウムは水不足だと、分かりやすく塊根部分が凹んでくれるので、水やりタイミングも調節しやすく育てやすいと感じています。
気をつけるべきは水の与え過ぎと冬越しです。
年間を通して乾燥気味に育てて、冬はできるだけ10度を下回らないように管理してあげれば元気なエブレネウムを育てることが出来るでしょう。
最後まで読んで頂き有難うございます!
一緒にボタニカルライフ楽しみましょう!